フィールド日記
2016.07.28
コオニユリ カブトムシ
今年も、すすき野原の緑にコオニユリの花のオレンジが映える季節となりました。コオニユリは、東京都では絶滅危惧Ⅰ類に、千葉県・石川県で絶滅危惧Ⅱ類に、埼玉県・栃木県では準絶滅危惧種に指定されています。
不二聖心内の農園では茶草場農法が取り入れられていて、すすき野原のすすきは茶畑の肥料に使われています。すすき野原が管理されていることでコオニユリなどの希少種が守られています。すすき野原の周辺にあるクヌギはかつては製茶工場の燃料の炭を作るために育てられていました。そのクヌギの樹液を求めて、今日はカブトムシがやってきていました。
今日のことば
コオニユリが存在するためには、送粉者のキアゲハを育てるセリ科植物がなくてはならない。
そのセリ科植物の受粉にはハナアブやハエ類が必要である。
それらの双翅目の昆虫はクマやキツネの糞から発生する。
このように、自然は一つのセットとなって存在しなければ、本来の姿を保つことができないのである。
田中肇
田中肇