フィールド日記
2016年05月
2016.05.28
キマエホソバ
講堂のドアにキマエホソバがとまっていました。キマエホソバは幼虫が地衣類(菌類と藻類の共生体)を食べることで知られています。地衣類は空気のきれいなところでしか育つことができません。キマエホソバは不二聖心の環境の良さを示す生物と考えることができます。
今日のことば
世界がいかにあるかではなく、そもそも世界があるということ自体が神秘的なことである。 ヴィトゲンシュタイン
2016.05.23
クヌギの樹液とスズメバチとサトキマダラヒカゲ
クヌギの木から樹液が出ていました。いよいよクヌギの樹液に多くの生物を集まる季節がやってきました。昨日はスズメバチが樹液の湧出口を噛み砕いていました。ボクトウガという蛾の幼虫が木の内部を傷つけ、スズメバチが木の外部を傷つけ、そうしてたっぷりとした量の樹液が出てくることになります。ある意味でクヌギは自らの血液で多くの生物を養っているとも言えるでしょう。
クヌギの樹液から飛び立ったサトキマダラヒカゲが近くにとまっていました。静岡県出身の昆虫学者、高橋眞弓先生は二十年以上かけてサトキマダラヒカゲについて研究し、サトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲの違いを明らかにしました。
今日のことば
人を相手に学者になるのは易いが学問を相手に学者になるのは大変な事です。 中谷治宇二郎
2016.05.18
森の健康診断
今日は高1の総合学習で「森の健康診断」を行いました。矢作川水系森林ボランティア協議会のリーダー7名の方のご指導のもと、学校林の混み具合について診断を行いました。最初に森の健康状態を推測してから科学的に診断を行いましたが、自分の予想とは大きく異なる結果を得た人も多かったようです。客観的な指標をもとに適正な森林管理をしていく方法を学ぶ貴重な機会となりました。
活動をしている場所でホオノキの幼樹を見つけました。9月には手ノコでの間伐をします。間伐をすることで光が豊かに臨床に届くようになれば、幼樹の成長も促進されるはずです。
今日のことば
ツバメさんたちが町中を飛びかう季節となりました。軒下などに巣を作っているのはご存じのことでしょう。でもあの子たちが5000キロも離れた東南アジアから飛んできているということは意外と知られていません。 鈴木まもる
2016.05.17
オオゾウムシ
昨日、高校1年生の生徒が「ゾウムシがいました」と言って大きな甲虫を持ってきてくれました。日本最大のゾウムシ、オオゾウムシでした。不二聖心にはクヌギの林がいくつもありますが、オオゾウムシは好んでクヌギの葉を食べます。このゾウムシも不二聖心の里山的な環境によって育てられた生物の一つと言えるでしょう。日本最大のゾウムシですが、性質は臆病で、手で触れるとすぐに死んだふり(偽死)をします。
今日のことば
木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだから
と思ってもう一本ならべると
林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると
二本の木が
なぜ涙ぐんでいるのか
よくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ
淋しさが訪れるのです。
寺山修司
2016.05.13
モリアオガエルの産卵を確認
希少種のモリアオガエルの産卵を今年初めて確認しました。かなり早い時期の記録ではないかと思いましたが、2011年5月4日に産卵の記録がありました。シダレザクラの枝についた卵塊を3つ確認できましたが、その中には産卵して数日のものも含まれているかもしれません。
今日のことば
人間のもっとも大事なものが「生きる時間」だとしたら、この消費主義社会は、そのもっとも大事なものを奪っているのですよ。
ホセ・ムヒカ
2016.05.07
野鳥の調査 サンコウチョウ オオルリ キビタキ
今日は日本野鳥の会の滝道雄先生と不二聖心の野鳥の生息状況の調査をしました。
2016.05.01
ヒメクロオトシブミ ヤマツツジ
昨日は高校オリエンテーリング大会が開かれました。画像の中心に小さく見えるのは、牧草地を進む高校1年生のグルーブです。
ポストのすぐ近くでヒメクロオトシブミが揺籃作りに励んでいました。
揺籃は部屋と餌を兼ねています。
泉鏡花の小説にも出てくるヤマツツジがコースの途中に咲いていました。
こちらの葉にも揺籃が見つかりましたが、ツツジの葉で揺籃を作るオトシブミの話はあまり聞いたことがありません。
今日のことば
海までを春田はるかに広がりて 林尚美
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