フィールド日記
2015.12.04
紅葉と黄葉
紅葉の風景が美しい一日でした。
高校1年生の廊下から見えるイロハモミジは既に葉を落としたシダレザクラの枝と良いコントラストをつくっていました。『枕草子』にも「桜の葉、椋の葉こそ、いとはやく落つれ」という一節があります。
校舎の裏のクヌギの葉は黄色く色づいていました。こちらは黄葉です。万葉人はクヌギのようなブナ科の落葉樹を総称して「ははそ」と呼びました。「ははそはの」は「母」に係る枕詞です。ブナ科の落葉樹は、枕詞に使われるほど、万葉人にとって身近な存在であり、そこに紅葉にはない黄葉の美しさを見出していました。
今日のことば
秋の夕日に照る山もみじ
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓や蔦は
山のふもとの裾模樣 高野辰之