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フィールド日記

2014.06.19

栗の花

 著名な植物学者、前川文夫博士の『日本人と植物』(岩波新書)の中に「栗花落」という難読名字が紹介されています。「栗花落」は「つゆり」と読みます。「つゆり」は「梅雨入り」が縮まってできた言葉です。前川博士は、「栗花落」は梅雨入りの時期に栗の花が落ちることから生まれた名字だろうと推測しています。不二聖心は今が栗の花の盛りの時期です。梅雨入りからはずいぶん時間が経ちました。どうも梅雨入りと栗の花の落ちる時期は一致しないようです。それならばなぜ「栗花落(つゆり)さん」という名字が生まれたのか。じっくり考えてみたいものです。


今日のことば

世の人の見付けぬ花や軒の栗   松尾芭蕉