フィールド日記
2014年03月
2014.03.26
タチツボスミレの遺伝的多様性
雑木林にたくさんのタチツボスミレが咲いています。
ほとんどの花は薄紫です。
しかし、すべてが同じ色ではありません。裏の駐車場の雑木林の斜面をのぼったところに濃い紫の花が群生している場所があります。
色の違いは異なる遺伝子を持つことの具体的な現れの可能性が高く、遺伝的多様性は不二聖心のフィールドの生物多様性にとって重要な要素となります。
今日のことば
飯こふとわが来しかども春の野にすみれつみつつ時をへにけり 良寛
2014.03.22
ゲンカイツツジ
ゲンカイツツジの花が五分咲き程度になってきました。ツツジの中でも最も早く咲き始める種類です。ゲンカイツツジは、岩場の傾斜地の厳しい環境に生育するツツジで、自生種は準絶滅危惧種に指定されています。寒椿などの凛とした趣きとはまた違った、春の花の華やぎがゲンカイツツジには感じられます。
今日のことば
生きることは一筋がよし寒椿 五所平之助
2014.03.18
ツグミと地球温暖化
飛来するのが今年はとりわけ遅かったツグミが、不二聖心のフィールドのあちこちで元気に活動しています。飛来が遅れた理由の一つとして温暖化の問題が挙げられますが、鳥類の専門家はさらに複雑な要因をそこに見ようとしています。ツグミの旅立ちの日にも注意を向け、その複雑な要因について考え続けていきたいものです。
今日のことば
僕が気づかないだけで
日々の生活は頑張っている人々の姿で
あふれている。 長谷部誠
2014.03.14
春のきのこ タマキクラゲ チャワンタケ
昨日の嵐で折れたクヌギの枝にタマキクラゲが発生していました。不二聖心のフィールドに春の訪れを告げるキノコです。
もう一つキノコを見つけました。チャワンタケの一種です。こちらは今の季節に初めて見かけるキノコでした。新しい春の使者かもしれません。
今日のことば
自分をしずかに愛してみたら
わかるようになってきた。
べつに私は特別な人間ではない
でも
この世にただひりしかいない人間だと。 キム・マクミラン
2014.03.11
雪で折れたクスノキの枝とフキノトウ
2月の大雪でクスノキの枝もかなり折れてしまい、それが地面に横たわっています。クスノキはもともと南の地方の樹木ですから雪に対する耐性は弱いのかもしれません。
その枝の脇からフキノトウが顔を出しているのを見つけました。雪の被害を乗り越えて生きる植物の姿です。
今日のことば
「ふきのたう」と言ひしが母の終(つい)の声 足立威宏
2014.03.07
河津桜と雪
雪の朝となりました。
雪をのせた河津桜の花の写真を撮りました。早咲きの河津桜でなければなかなか見ることのできない光景だと思います。河津桜の発見者である静岡県賀茂郡河津町田中の飯田勝美氏に感謝しなくてはなりません。
今日のことば
わかる人には言わなくてもわかる。
言わなきゃいけない人は、言ってもわからない。
高峰秀子
2014.03.06
梅と楠に見る生命の循環
体育館の脇の梅の木が今年もたくさんの花をつけました。
この木は成長の途中で一度倒れ、そのままの状態でさらに成長を続け、花を咲かせています。
幹の根元の一部は枯死し、そこに落ちた楠の種が芽生え、枯死した部分から養分を得て新たな命が育っています。
身近なところに生命の力強さや生命の循環を感じることができるのも不二聖心のフィールドの素晴らしさです。
今日のことば
木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだからと思ってもう一本ならべると林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると二本の木がなぜ涙ぐんでいるのかよくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ寂しさが訪れるのです
寺山修司
2014.03.03
ウグイスの初鳴き 三色スミレ
今日もウグイスの声で一日が始まりました。
今年は3月1日に初めてウグイスの声を聞きました。例年よりずいぶん遅いと感じます。ウグイスの声を録音していたら目の前の木にコゲラ(キツツキの仲間)を見つけました。動き方が独特ですので、慣れるとすぐにコゲラだとわかるようになります。
シスターが植えてくださった三色スミレは大雪にも負けることなく美しい花を咲かせています。
自然界全体が春の本格的な訪れの予兆を伝えているように感じます。
今日のことば
朝夕の寒き風を耐え忍び
庭先に咲きし三色スミレに
私は新たに思う 主によりて救われたことを
救われたことを
道行く人も足をとめて見る
けがれを知らない三色スミレに
私は新たに思う 主によりて愛されていることを
愛されていることを
望みにあふれる春のおとずれを
そっと知らせる三色スミレに
私は新たに思う 主によりて生かされてることを
生かされてることを
水野源三
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