フィールド日記
2014.01.12
マリアガーデンの蠟梅(ロウバイ)
マリアガーデンの蠟梅がたくさんの蕾をつけています。
蕾の一つが花開きました。
冬の自然に貴重な彩りを添える蠟梅は多くの人に愛されている木です。文筆家の杉本秀太郎が亡友、大槻鉄男について書いた随筆には次のような一節があります。
展墓ののち、高野川の堤を少し引き返して亡友の家を訪ねる。生前に愛していた蠟梅が、折しも窓辺に咲いている。七年のうちに、めっきり背が伸びて、かさ高くなり、夏などは見るも暑苦しく枝葉をしげらせているが、いまは寒々とした裸木に咲きだした胡蝶のような黄花だけが目にいちじるしい。
大槻は不慮の死によってわれわれを狼狽させた。この日を蠟梅忌と呼びならわしている仲間たちが、一月十四日の日暮れとともに、蠟梅の見える亡友の居間に寄りつどうのである。
今日のことば
古い家のない町は、思い出のない人間と同じである。 ドイツのことわざ