フィールド日記
2013.08.05
ヘリグロツユムシとツユムシ
2013.08.05 Monday
8月3日に夏休み子供自然体験教室が行われました。
学院ダイアリー 2013.08.03 【最近の様子】第1回夏休み子供自然体験教室が行われました
体験教室の朝、準備のために森に入っていくと頭の上からヘリグロツユムシが落ちてきました。ヘリグロツユムシは普段は木の上で生活していますが、人の気配を感じると驚いて落下してくることがあります。
こちらの写真はツユムシです。ツユムシは草原を生活の場としていますので、森の中で落下してくることはありません。逆にヘリグロツユムシがアザミの花に乗っている風景もまずありえません。近縁種でも全く異なる生活環境を好むことがあることを示す良い例です。
二種の違いは生息環境だけではありません。分布の状況も大きく異なります。ツユムシが広く日本以外にも分布するのに対し、ヘリグロツユムシは日本固有種です。グローバル化の時代に日本固有種が持つ意味を改めて考えたいものです。
今日のことば
あらゆる生命は同じ場所にとどまってはいない。
人も、カリブーも、星さえも、
無窮の彼方へ旅を続けている。
星野道夫