フィールド日記
2013.07.05
キカラスウリの白い花とセスジスズメ
2013.07.05 Friday
お茶工場の近くでキカラスウリの花が咲いているのに気づきました。烏瓜の仲間は、いずれも夜間に開花することで知られていますが、そのために闇の中でもよく目立つ白い色の花を咲かせると言われています。受粉昆虫は、コスズメ、セスジスズメ、エビガラスズメなどのスズメガの仲間です。スズメガは夜活動するため、成虫の姿を見ることはなかなかできません。むしろ幼虫の方がよく目にする機会があります。特にセスジスズメの幼虫(2枚目の写真)は派手な模様が特徴的で一目でセスジスズメであることがわかります。
今日のことば
みなさんは経験したことがないかもしれませんが、わたしの赤んぼうのころには、夏の暑い日、たらいにお湯をいれて、母親にからだをあらってもらったあとで、あせもができないように、天瓜(花)粉という白い粉を、からだに、はけでポンポンとうちつけてもらいました。
それは、とても気持ちがいいので、赤ちゃんは、「きゃっきゃっ」と声をたててわらったものでした。
湯上がりの子をうらがえし天瓜粉
という俳句は、こうした昔の日本の母と子の、ほほえましい情景をうたったものです。この天瓜粉というのは、カラスウリのなかまのキカラスウリからつくったものです。キカラスウリの実は、名前のように黄色ですが、花はカラスウリににています。
キカラスウリのイモのでんぷんは、カラスウリのイモのでんぷんよりきめがこまかくて、肌ざわりがいいので、天瓜粉としてもちいられたのでしょう。
真船和夫