フィールド日記
2013.05.09
益虫としてのマルボシハナバエ スミソニアン博物館の親切
2013.05.09 Thursday
「共生の森」でメスのマルボシハナバエの写真を撮りました。マルボシハナバエはチャバネアオカメムシに寄生します。チャバネアオカメムシは果樹の害虫として知られていますので、人間の視点から見るとマルボシハナバエは益虫ということになります。今までにオスの写真は何度か撮りましたが、メスの写真は今回が初めてです。
スミソニアン博物館から『A SYSTENATIC STUDY OF THE JAPANESE CHLOROPIDAE(DIPTERA)』が届きました。不二聖心の双翅目相の調査に関係する問い合わせをしたところ、学芸員の方がわざわざこの本を送ってくださったのです。その親切に感動しました。
参考
フィールド日記 2013.04.25 ヤマギシモリノキモグリバエとスミソニアン博物館
今日のことば
地球上の生命に与えられた目的は、個の欲望を満たすことではなく、命の連鎖だ。人間はいつどこで、この法則を放棄してしまったのだろう……。
ミツバチのDNAにプログラムされたルールが単純明快であるだけに、複雑に欲望が入り乱れる人間社会と比べてしまう。種の繁栄を迷いなく選択するミツバチと、可能な限り選択を避けて「現在」だけを謳歌する人間。一体どちらが、「賢い生き物」なのだろうか……。
『黙示』(真山仁)より