フィールド日記
2013.05.30
スイカズラとシェイクスピア
2013.05.30 Thursday
例年より早く梅雨入りし、今日はかなり激しい雨の降る一日となりました。梅雨時の不二聖心で最も目立つ花の一つがスイカズラです。スイカズラ科の花は世界に約500種ありますが、日本のスイカズラは、海外に帰化している例も見られ、Japanese honeysuckle と呼ばれています。シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に出てくるwoodbineという植物はスイカズラ科に属し、翻訳者によってはスイカズラの和名である「忍冬」を訳語としてあてている場合もあります。シェイクスピアは、luscious woodbineと表現しています。luscious(香りが良い)というのもスイカズラの仲間の大きな特徴です。梅雨の鬱陶しさを花の香りで多少なりとも忘れることができたらと思います。
今日のことば
あぢさゐの花雨に濡れ父の機が撃ち落されしその日近づく 結城文
四十二で死にたる父に晩年のなきこと思ふ戦なき世に 結城文