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フィールド日記

2013.02.16

ヒサカキハフクレフシの中で越冬するホソガの幼虫を発見



2013.02.16 Saturday

ヒサカキの葉上にホソガが作るヒサカキハフクレフシという虫こぶを見つけました。虫こぶの中にはホソガの幼虫が潜んでいました。白い線はホソガの幼虫が葉の隙間にトンネルを作ったあとで、茶色く変色している部分が幼虫の出す化学物質によって植物が形成したホソガのための居住空間です。この時期の幼虫は九州以外ではあまり確認されていませんが、今回、静岡県裾野市で発見されたということは、他の県でも発見の可能性があるということになります。もしデータが蓄積され幼虫越冬の地域が北上していることが確認されれば、ヒサカキハフクレフシを温暖化の指標としてとらえることができるようになります。『不二聖心のフィールド日記』をお読みのみなさんもお近くのヒサカキの葉をながめてみてはいかがでしょうか。九州以外で、写真と同じような模様の、幼虫が中にいるヒサカキハフクレフシが今の時期に見つかったら、一つの重要な資料となります。

 
今日のことば

今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。
窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。雨の雫をいっぱい溜めたクモの巣を見たことがありますか。樫の木の下で、立ちどまったことがありますか。街路樹の木の名を知っていますか。樹木を友人だと考えたことがありますか。

長田弘