フィールド日記
2013.02.19
神事とヒサカキとチャタテムシの卵塊
2013.02.19 Tuesday
不二聖心の中には実にたくさんヒサカキの木があります。それらが今の時期には一斉に小さな粒々の花芽をつけます。神事に用いられる樹木にサカキ(榊)がありますが、サカキの生えない地域ではヒサカキ(非榊)の代用が進みましたので、自ずとどの地域においてもヒサカキの本数は増えていきました。それに伴いヒサカキに依存する生物の個体数も増えていきました。人間の生活の生態系に与える影響はこのようなところにも表れていると言えるでしょう。2枚目の写真は、ヒサカキの葉に産みつけられた1ミリ以下のチャタテムシの卵の塊です。ミクロの世界に及ぼす人間の力もまた多大なものがあります。
今日のことば
外なる自然の深みと内なる自然の深みがちょうど対称形をなしているのではないかと感ずることがある。わたしたちの心の内奥は原生の森や海のように深く神秘に満ちていて、どちらに分け入っていっても同じような自己認知の深まりをもたらしてくれる気がするのである。どちらかいっぽうに深く踏み込めれば踏み込めただけ、もう片方の自然にもおのずと深く踏み込めるようになるといえるかもしれない。
星川淳