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フィールド日記

2013.01.05

トガリヒメバチ亜科のヒメバチ 

 

 2013.01.05 Saturday
「共生の森」のカシの木の樹皮にとまっていたヒメバチを採集しました。ヒメバチは世界中で23500種が確認されている寄生バチです。写真は拡大してありますが、体長約4ミリです。専門家に同定の依頼をしたところ、「写真のヒメバチですが、トガリヒメバチ亜科までは間違いありません。おそらくGelis属の有翅型ですが、属や種の同定は実物を確認する必要があります。」という回答をいただきました。Gelis属の有翅型だとすると、静岡県の初記録ということになります。
たまたま昨日読んだ1922年の岩手日報の記事に、その年に見られた毒蛾の大発生の原因についての盛岡高等農林学校門前弘多教授の意見が載っていました。以下のような内容です。 

(毒蛾の大発生の)もう一つの原因は昨年の冬昆虫につく所謂『寄生蜂』が非常に死んだ為にすべての昆虫が多くなったのかも知れない。寄生蜂は一匹の毛虫つまり幼虫に二十匹から三十匹位寄生して遂にその幼虫を殺してしまふのである。

これを読むと、1920年代には既に寄生バチの生態系に占める重要な位置について認識されていたことがわかります。


 
今日のことば

ぶつかり稽古で、根も力ももう是れ限りと思ふと、いつともなく不思議に新しい力が湧いてきます。

大錦卯一郎