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フィールド日記

2013.01.18

ロウバイの蕾

  マリアガーデンのロウバイの蕾が少しずつ開き始めています。2002年1月13日の朝日新聞の「花おりおり」(湯浅浩史)というコラムでロウバイは以下のように説明されています。

2002年1月この時期ひっそりと咲く。が、知る人ぞ知る。香り、色、それにロウ細工のような花。個性豊かで冬の得がたい花である。名の由来に2説。一つは臘月(ろうげつ)、つまり陰暦12月に咲く、ウメに似た花の臘梅。またはロウ状の梅からの蝋梅(ろうばい)。分類上はロウバイ科で、萼(がく)と花弁が連続し、ウメとは縁遠い。

 日本に伝来したのが17世紀の前半と言われますので、それ以来、約400年の間、日本人はこの花の開花に立春の近いことを感じ続けてきたのだと思います。    

            
 

今日のことば

 昨日の新聞から184 平成22年1月25日(月)

『三行の智恵』(葉祥明 日本標準)を読む
――  著名な絵本作家による生き方についてのアドバイス ――

 僕は「モルゲン」という、主に高校生を対象として作られている新聞を愛読しています。その中に書評のコーナーがあって、そこではプロの書評家ではなく、高校生や高校の教師がさまざまな本を紹介しています。最新号の中で、新潟県立国際情報高校の山本寛先生が葉祥明の『三行の智恵』という本を紹介なさっていました。独特の画風で知られる、著名な絵本作家の葉祥明さんは、生き方についての御自身の思索のあとをまとめた著作を何冊か刊行しています。これまでそれらの著作からさまざまな生きるヒントを得ていた僕は、たまたま書店で『三行の智恵』を見つけてすぐに購入し一読して深い感銘を受け、いつか生徒のみなさんにも紹介したいと思っていました。そのような時に、同じようにこの本に感動した方の存在を知り、うれしく思いました。僕の思いを代弁するかのような、山本寛先生の紹介文を次に引用してみたいと思います。

 「よりよく生きる」という言葉を目にする機会が多いように感じる。高度経済成長を支えたパラダイムの崩壊によって、私たちは「目に見える、物質的豊かさ」から「目に見えない、内面的豊かさ」を知らず知らずのうちに志向するようになっている。
「よりよく生きるための~」と題された書物の多くは、How to~ の類ばかりで、一見分かりやすい指針が示されているものの、私たちが真に求める「内面の豊かさ」を教示してくれるか、はなはだおぼつかなく感じていたのも事実である。しかし、本書はそうした書物とは明らかに一線を画している。わかりやすい3行の言葉で生きるための知恵を示してくれる。その一言は、平易だが深い。例えば、「がんばってもいい。しかし、がんばりすぎてはいけない」など。
一冊を読み終えた後、「中庸」を見失っていた自分に気づいた。私たちの思考は、あまりにも一つの方向に偏りすぎていなかったか。「よりよい生き方」にも正解があると思い、かえって生活を息苦しくしていなかったか。短い時間でも読めるが、深い読後感が残る一冊としてお奨めします。

「わかりやすい3行の言葉」で示された、より良く生きるための知恵をいくつか紹介してみましょう。 

物を所有してもいい。
しかし、
それに振り回されてはいけない。

理想を持つのはいい。
しかし、
現実を無視してはいけない。

信念を持つのはいい。
しかし、
凝り固まってはいけない。

苦しみがあるのはなぜか。
それは、
成長するためだ。

悲しみがあるのはなぜか。
それは、
深くなるためだ。

人間の真の価値は、
地位や財産や才能ではなく
優しさや思いやりにある。

どんなに望んでも
そうならないものは
そうならない。

どんなに望まなくても
そうなるものは
そうなる。

知識は外から、
知恵は心の奥深くから
やってくる。

自分自身を、
これでいいともいけないとも
思い過ぎないように。

人は、この世では
本当は何も
所有できない。

この世で所有したものは、
いずれは失う。
親も子も、自分自身も。

自分の中に
豊かな愛を育む。
そのための人生。

あなたが、世界を
愛すれば愛するほど、
世界はあなたを愛する

 このようにして3行の言葉が1ページに1組ずつ書かれています。全部でそれが96組あります。読む人によって感銘を受ける言葉は異なるでしょうが、すべての人が「この言葉は自分のためにある」と思える言葉と出会えることは間違いないと思います。ぜひこの本を手にとり、かけがえのない言葉との出会いを経験してください。
ちなみに僕は89ページの言葉が好きです。「人は世界を変えられる」でその言葉は始まります。何をすれば「人は世界を変えられる」のか。89ページを開いて確かめてみてください。