フィールド日記
2013.01.31
有明の月 炭焼きの歴史とクヌギとクヌギエダイガタマフシ
2013.01.31 Thursday
午前7時30分頃のすすき野原の写真です。中心に有明の月が見えます。今日は陰暦では12月20日です。国語の授業では「陰暦の16日以降に夜があけても空に残っている月」が「有明の月」だと教えます。
不二聖心のお茶は、かつては敷地内のお茶工場で作られていて、製造する時の燃料として炭を使っていた時代がありました。炭焼きも敷地内で行われていたのです。不二聖心にクヌギの木が多いのは、炭焼きの材料としてクヌギが使われていたことと関係しています。クヌギに集まる生物の種類は無数といってよく、クヌギの多さが不二聖心の生物多様性を高めてきたと言えるでしょう。下の写真の虫こぶはクヌギエダイガフシで形成者はクヌギエダイガタマバチで、クヌギにつく代表的な虫こぶです。その下の写真のハチはクヌギエダイガタマバチの寄生蜂です。寄生によって生物多様性はさらに高まり、生態系は安定性を増していきます。
今日のことば
半世紀前に(戦争で)殺され ものいわない白骨となった
数えきれないほどの 人々のなかから
せめて
一人の少女の
一人の少年の
面影を
そっと胸のなかにしまいましょう。
「1995・千鳥ヶ淵で」(石川逸子)より