フィールド日記
2012.11.05
ウスキツバメエダシャク 三井物産環境・社会貢献部社有林環境基金室室長のご講演
2012.11.5 Monday
毎週日曜日、日本経済新聞に「都会のオアシス皇居」という非常に興味深いコラムが連載されています。
10月26日は蛾の話題でした。その冒頭部分を引用します。
ガは夏に活発に動く印象が強いが、晩秋から早春に成虫になるものも少なくない。国内で見つかっている
ガは6000種ほど。このうち皇居には約800種いる。寒い時期に成虫になるのは全体で約300種だ。
コウモリやクモなどの天敵を心配せずに済むので、寒さに耐える性質を備えていれば好都合という。
不二聖心でも寒い季節に活動する蛾がたくさん見られます。下の写真は11月2日の18時52分に撮影した
ウスキツバメエダシャクの写真です。この日も寒い夜でした。
不二聖心では、今年から高校1年生の総合学習の時間を活用して、「森づくりと森についての学習を通
しての新しい教育プログラムの開発」に取り組んでいます。これまでにNPO法人「土に還る木・森づく
りの会」の協力を得て「共生の森」の植栽を行ったり、矢作川水系森林ボランティア協議会の御指導の下
で、「森の健康診断」や手ノコによる間伐体験などを行ったりしてきました。(間伐体験は「フィールド
日記」で動画でも紹介してきました。
フィールド日記 2012.10.14 ムラサキシキブハケタマフシ 間伐実習で木が倒れた瞬間の映像)
10月24日には、森に関わる学習の社会的な意味を学び実際に企業が行っている森を通しての社会貢献に
ついて知るために三井物産の環境・社会貢献部社有林・環境基金室の赤間哲室長と齊藤江美マネージャー
に来ていただいて講演会を開催しました。
生徒たちの意識が変わった、たいへん意味のある講演会となりました。
今日のことば
三井物産(株)環境・社会貢献部社有林・環境基金室の赤間哲室長と齊藤江美マネージャーの講演の感想
◎今日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます。森林のはたらきって何だろうと思って
いましたが、自分たちの生活の仕方をよく見てみると私たちの生活は木なしでは成り立たないことがわか
りました。それなのに日本では林業に力を入れていないという事態はとても深刻なものだと思いました。
日本は世界でもトップレベルの森林率を持っているのに、その長所を上手く使っていないところがもった
いないと思いました。三井物産の方々は環境を守るために大きな貢献をしていてすばらしいと思いました。
◎私たちが森づくりを行う上で知っておかなければならない知識を多く習得することができました。
95%の森林は間伐遅れであることに驚くと同時にもっと林業に力を入れるべきだと強く感じました。
68.5%の森林率を持つ日本のすばらしい環境を利用すべきであり、そのことを日本人が理解することで
企業や人々の関心を高め、木の使用量を増やしていくことが重要だと思います。私もこれからはFSC
のマークがあるものを買おうと思います。
◎今日は私たちのために素敵なお話を聞かせていただき、本当にありがとうござます。4月から森づくり
について話し合い、9月に間伐を体験し、机を作った私たちにとって、とても分かりやすかったです。
今の日本は森林大国なのにもかかわらず、それを上手に活用できていないのはすごく残念だと思いました。
木のぬくもりはすごく温かくて好きなので、これから私たちの身の周りのものが木で作られればと思いま
した。
地球温暖化を食い止めるために、これからの私たちに何ができるのかをしっかり考えたいです。
◎貴重なお話をありがとうございました。三井物産の方々の、木材はなるべく国産のものを使い身の周り
にあるものに生かしていくという考え方に同感です。木材には鉄筋コンクリートにはない温かさがあります。この温かさを知らない人たちにもっと広めてもらいたいです。木を切らないようにするだけが森を守るわけ
ではない、たくさん消費するのも森のためなのだということを心にとめておきたいです。
◎今日の講演会で、森についてより知識を深めることができました。全ての生命の源は森であり、土砂崩れ
を防いだり、教育上の恵みを与えてくれたりする森を、もっと人間は大切にするべきだと感じました。もし
森林を私たちが失ってしまったら、生命の維持にまで関わってくると知り、とても恐ろしくなりました。
森林を壊すのは人間だけであり、また森を復活させることができるのも人間だけなので、私も普段の生活の
ちょっとしたところを見直し、環境を良くできたらと思いました。
◎日本には、想像以上に多くの森林があると知り、驚きました。その実感がわかないのは日本人があまり木
を使わなくなってきたからだと思います。恵まれた自然を生かし、林業のサイクルが上手く回っていくよう
になってほしいです。また、企業の社会貢献についても学ぶことができました。知ることによって見えてく
る世界があると気づきました。
◎三井物産は林業を活性化させるために様々な活動をなさっていることを初めて知りました。健康な森林を
維持するために間伐などを行いながら手入れをきちんとし、成長した木は加工して消費するという林業のサ
イクルが森林保護のために最も重要なことであると思いました。森林伐採はしてはいけないことだと思って
いましたが、人工林は木材として利用する必要があると知り、今までの考え方が変わりました。またFSC
の認証マークの商品にも注目するようにしていきたいと思いました。
◎今日は貴重なお話をありがとうございました。「木を使う」ことは、地球に対して悪いイメージがあった
ので、国産材を使うことが林業のためになるという話を聞いてとても驚きました。金属やコンクリートの建
物が多い中、不二聖心は木に囲まれた環境にあるので、とても恵まれているのだということを認識すること
ができました。
◎素晴らしい講演をしていただき、ありがとうございました。森の面積についてや森の伐採、間伐について
詳しくうかがうことができて良かったです。日本にはたくさんの森があるのにもかかわらず、手入れをして
いないがために死なせてしまっていて、林業にたずさわる人も減少していると知り、危機的なのだと感じま
した。ドイツのように日本より木が少ないのにたくさん生産している国もあるのに、日本は木を使用しなく
なっているために生産量が少ないというお話でしたので、もっとたくさん木を使い、森を取り戻さなければ
ならないと思いました。本当にありがとうございました。
◎今日は講演会をして下さってありがとうございました。森に対する熱い意見をお持ちになっていて、私た
ちも森づくりに対して意欲が増しました。「森林を作ったのは人間。森林を壊しているのも人間。」という
言葉が印象的で、人間が中心になってしまっている今の世の中の現状ではいけないと感じました。木をどん
どん使って森を活性化させ、私たちの地球を守っていくべきだと今回の講演で強く感じました。