フィールド日記
2012.10.03
シュウブンソウ(東京都では絶滅しました)
2012.10.3 Wednesday
朝、理科室の前の廊下を歩いていたら、どこからか金木犀の香がただよってきました。
講堂横の金木犀の花の様子を確かめてみたところ、いつの間にか満開になっていました。
遠く離れていてもその存在を知らせることができる金木犀のような花もあれば、近づいて目を凝ら
さないと見過ごしてしまうような花もあります。今の時期、不二聖心の林道にたくさん咲いているシュ
ウブンソウもそのような花の一つです。シュウブンソウは東京都では既に絶滅したとされています。
下の写真は「絵かき虫」に食い荒らされているシュウブンソウの葉の写真です。シュウブンソウ
が絶滅することは、この「絵かき虫」にとっても極めて重大な事態ということになります。
一つの種の絶滅は一つの種の問題だけにとどまらないことを覚えておきたいものです。
今日のことば
私は一つの思想を見いだした。ゴーヴィンダよ。おん身はそれをまたしても冗談あるいはばかげた
ことだと思うだろうが、それこそ私の最上の思想なのだ。それは、あらゆる真実についてその反対
も同様に真実だということだ! つまり、一つの真理は常に、一面的である場合にだけ、表現され、
ことばに包まれるのだ。思想でもって考えられ、ことばでもって言われうることは、すべて一面的
で半分だ。すべては、全体を欠き、まとまりを欠き、統一を欠いている。
『シッダールタ』(H・ヘッセ)より