フィールド日記
2012.10.20
モリオカメコオロギの2種類の鳴き声
2012.10.20 Saturday
「共生の森」でモリオカメコオロギを見つけました。同定のために採集し鳴き声を記録してみたところ、
モリオカメコオロギはさまざまに鳴き分けることがわかりました。たくさんの鳴き声から2種の鳴き声を
紹介します。
今日のことば
夜の歌い手である蟋蟀(こおろぎ)には、多くの種類がある。蟋蟀という名前は、「キリキリキリキリ、
コロコロコロコロ、ギイイイイイ」という鳴き声から由来している。その変種の中にエビ蟋蟀というのが
いるが、これはまったく鳴かない。しかし、馬蟋蟀、鬼蟋蟀、閻魔蟋蟀はいずれもみな、立派な音楽家で
ある。色はこげ茶か黒で、この歌の上手な蟋蟀たちの翅には、変わった波形模様がついている。
蟋蟀に関する興味深い事実は、八世紀の中頃に編纂された日本最古の『万葉集』という歌集に、この虫の
名が出ていることである。次の歌は、優に一千年以上も昔の読み人知らずによる作である。
庭草に村雨ふりてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり
(にわか雨が、庭草に降り注いだ。こおろぎの鳴く声を聞けば、秋がやって来たこと が知れることだ)
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)