フィールド日記
2012.07.05
クリ ブルーベリー
2012.07.5 Thursday
いつの間にか栗の実が育ち始めていました。「栗花落」と書いて「つゆり」さんと読む名字の方がいらっしゃいますが、「つゆり」は「梅雨入り」を意味しています。栗の花が落ちる頃、梅雨が始まるというところから生まれた名字です。栗の花が落ちるのが梅雨入りの合図なら、栗の実ができ始めるのは梅雨明けが近いことを示していると言ってもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間の「共生の森」ではブルーベリーの実が静かに輝きをはなっていました。
今日のことば
「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑
張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。これは謙遜なんかでは
ないよ。本気でそう思ってるの。だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花
のひとつも咲かせることが出来ないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花
は咲かせられないのよ。そんなことは当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そ
のことの本当の意味がわかっていないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづ
くそのことを思い知ったの。この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主
人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわから
なかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理
しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積
み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかっ
たな」
『奇跡のリンゴ』より