フィールド日記
2012.07.29
ササグモの子育て
2012.07.29 Sunday
今年もササグモの子育てが始まりました。裏の駐車場とすすき野原の二か所で、卵のう、も
しくは子グモを守る母グモを確認しましたが、標高の高いススキ野原の方が既に卵が孵化し
ていました。掲載した写真は、すすき野原の母グモを写したものです。よく見ると孵化した
子グモも写っているのがわかります。
1977年に寺田孝重・今西実・信濃和喜によって「茶園におけるクモ類相の研究」という興
味深い論文が書かれました。この論文の「まえがき」には、「今後、低毒・易分解性の農薬
開発もさることながら、農薬自身の散布量をできうる限り少なくし、これに替って自然界に
おいて害虫を抑制している天敵等を最大限利用した防除体系の確立が必要であると考えられ
る。」と述べられています。「害虫を抑制している天敵」の代表としてクモ類が調査対象と
なり、調査の結果をまとめた「茶園におけるクモ類相の研究」という論文が書かれました。
論文の中では茶園の優占種としてササグモが挙げられています。不二農園のお茶がおいしく
作られているのも、ササグモをはじめとするクモ類が害虫退治に一役買ってくれているから
かもしれません。
今日のことば
花火ひらく亡き友の顔友の声
古賀まり子