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フィールド日記

2012.03.08

タチツボスミレ

 2012.03.08 Thursday 

 裏の駐車場から奥へと続く道では春の草花をたくさん目にすることができます。今朝は、今年初めてタチツボスミレの開花を確認しました。春になってこの花を目にすると、決まって夏目漱石の「菫ほどな小さき人に生まれたし」という句を思い出します。司馬遼太郎は「漱石の人と生涯と作品が、この一句でわかるような気がする」という意味の文章を書き残しました。
漱石はなぜ「小さき人に生まれたし」と思ったのか。司馬遼太郎はこの句のどこに漱石という人間の全体を見たのか。長い時間をかけて考え続けていく価値のある問いだと思います。

 

今日のことば

 あなたの心のなかの未解決のものすべてに対して、忍耐強くなってください。たとえば錠のおりた部屋のように、あるいは外国語で書かれた書物のように、問いそのものを愛するように努めるのです。いますぐ答えを探さないでください。あなたはまだ答えをみずから生きていないのですから、いま、答えを与えられることはありません。すべてを経験することが大切なのです。今は、問いを生きる必要があります。そうすればいつの日か、徐々に、知らず知らず、答えを経験している自分に気づくことでしょう。
                           ライナー・マリア・リルケ