フィールド日記
2012.03.02
タゴガエル
2012.03.02
裏道でキチャワンタケの発生の有無を確認していたら、崖の中からカエルの声が聞こえてきました。
「幻のカエル」と呼ばれるタゴガエルの声です。 「グオッ、グオッ」という、くぐもったような独特の声が穴の奥から聞こえてきます。どうやら穴の奥に水がしみ出ていて、そこでタゴガエルが生活しているら しいのです。この声は毎年、同じ穴から聞こえてきます。
タゴガエルは天敵の少ない今の時期に産卵をするのですが、その時期だけ鳴き声を聞くことができるのです。
声は聞こえても姿を見ることはできないので、穴の写真だけ撮っておきました。
日本各地で絶滅危惧種に指定されている貴重なカエルが不二聖心の一角でひそかに生き続けています。
このカエルについて詳しく知りたいという人には、『幻のカエル ――がけに卵をうむタゴガエル――』
(大木淳一 新日本出版社)という名著をお薦めします。
今日のことば
雨のおとがきこえる
雨が降っていたのだ
あの音のようにそっと
世のためにはたらいてゐよう
八木重吉