フィールド日記
2012.03.10
ネコノメソウ
2012.03.10 Saturday
朝のNHKのニュースでクチバシカジカの話題をとりあげていました。南三陸町に生息するクチバシカジカは震災以後、全く見られなくなっていましたが、先日ようやくその姿が確認され、復興のシンボルとされるようになったということでした。生き物の健気に生きる姿は不思議と人に生きる力を与えます。
今朝は東京で雪が降り、裾野市も冷たい雨の朝となりましたが、その中でもタゴガエルの声は崖の穴の奥からはっきりと聞こえてきていました。穴の近くにはたくさんのネコノメソウが生えています。ネコノメソウは希少種で県によっては絶滅危惧種に指定しています。
貴重な動物の周囲には貴重な植物もまた多いということなのでしょう。
今日のことば
作家にはトリックも仕掛けも必要ではない。それどころか、作家になるには、とびっきり頭の切れる人間である必要もないのだ。たとえそれが阿呆のように見えるとしても、作家というものはときにはぼうっと立ちすくんで何かにーーそれは夕日かもしれないし、古靴かもしれないーー見とれることができるようでなくてはならないのだ。頭を空っぽにして、純粋な驚きに打たれて。
レイモンド・カーヴァー