シスター・先生から(宗教朝礼)
2026.01.21
2026年1月21日放送の宗教朝礼から
宗教朝礼で何を話そうかすぐにアイデアが浮かばなかったので、AIに相談したところ、とても素晴らしい宗教的な内容を提案されたのですが、たぶん自分では絶対に思いつかないような言葉や内容が含まれていてそれを使うのは違和感を感じ、今回は宗教から少しはずれますが、自分が今感じていることを伝えたいと思います。
先日、テレビを見ていたらある地域で中学生対象に人権に関する標語を募集したところ、優秀な作品が7作選ばれ、作成した中学生5名を集めてどのようにその標語を考えたかを調査するという企画の番組がありました。5名中3名がAIで作成したと答えていました。AIを使わなかった生徒は自分で考えないと心がこもっていないと言い、AIを使った生徒は素晴らしい内容ならどう作成しようと問題ないと答えていました。
現在、大学では課題作成をAIに丸投げして提出し、自分では考えない学生が増えている一方で、時間をかけて考え一生懸命課題を作成する学生もいます。そしてAIで作成した学生の方が高い評価がつき、自分で作成したまじめな学生には低い評価がつき自己肯定感が下がり自分のやり方に悩んでいる人が多くいるという報道を見ました。
私にも大学2年と4年の息子がいますが、日頃、教科書やノートを使っている様子がなく、パソコンばかりいじっていて勉強している気配がないのでちゃんと授業を受けているのか心配になって聞いたことがあります。テキストはクラウド上に載っており、板書の内容はタブレットで撮影しているので教科書もノートも必要ないとそっけなく返答されました。分厚い数学の専門書を持ち歩いていた時代との世代間ギャプにショックを受けました。
それに関連して気になるニュースが先週ネットの記事にありました。その記事を読みます。
タブレット学習が定着した今も、新春の書き初めは小学校の定番行事だ。ところがキーボードやスマホ入力が当たり前になった昨今は、漢字の書き順などを正しく書けない子どもが増えているという。かたや大人も手書きする機会は激減しており、いざペンで書こうとして、漢字が出てこない、脳が衰えているのでは、と焦った経験がある人は少なくないはずだ。手書きをしなくなったことで、人間はどう変わったのか。順天堂大学医学部の矢野裕一朗教授に話を聞いた。
スマホやPCの入力と手書き、脳に及ぼす影響は何が違うのか?
手書きではすべて書き写すのは不可能なので、脳が瞬時に情報を要約して優先順をつけ、自分の言葉で概念を再構築する必要に迫られます。結果、手書きした学生の方が記憶の定着率も理解度も圧倒的に高い。
デジタルは情報の保存に長けているが、知識として定着させるにはアナログの方が効果が高いことが実証されている。
昨今は板書を写真に撮る学生も増えていますが、記憶の定着という観点からはマイナスに働く可能性があります。これは単なる精神論ではなく、心理学で、写真撮影による記憶喪失効果として知られる現象です。データに保存したことで安心感を得てしまい、復習をしなくなってしまうわけです。大切なことは後から必ずノートに書き写すなど、アナログとデジタルの使い分けを提案したいところです。
スマホが常に手元にある現代、写真を撮って覚えた気になってしまうという勘違い現象にドキッとした大人も多いのではないでしょうか。デジタルツールやAIは、仕事や生活のあらゆる場面で切っても切り離せなくなっています。
定型的な業務処理やミスのない遂行において、デジタルツールは最強のパフォーマンスを発揮します。とはいえ、デジタルの示す正解は、誰もが到達できるコモディティ化された正解に陥りがちであるという側面も否定できません。
対して、アナログな個人的記憶や経験といった独自の文脈から引き出された言葉やアイデアには、他者には模倣できないオリジナリティ溢れる価値があります。処理速度を求めるならデジタル、独自の価値を創出するならアナログ。この使い分けこそが、ビジネスパーソンのパフォーマンスを最大化する鍵となるでしょう。
子どもから大人まで、日々デジタルの恩恵にあずかる現代人。今は気にならなくとも、その影響が深刻化するのは近い将来かもしれません。
脳科学には、使わなければ失われるという鉄則があり、神経回路のシナプス結合も使わなければどんどん弱まってしまいます。文章の作成をAIに任せきりになったり、特に手書きという高度なマルチタスク(指先の操作+記憶の検索+言語構成)をやめてしまうことは、脳への血流と刺激を遮断することに等しく、脳の老化を加速させるリスク要因になります。
AIの弊害が表面化するのは5~10年後、老害が低年齢化すると予想される。
さらに興味深いのが、スマホで文字入力している時と手書きで文字を書いている時の脳血流を比較測定した研究です。スマホ入力ではあまり働いていない脳の前頭前野が、手書きをしている時は活発に働き、血流量が増加していることが確認されました。思考やコミュニケーションを司る前頭前野は加齢とともに最も早く機能低下が始まりやすい部位であり、ここが衰えるとイライラしたり、怒りっぽくなったりと感情の抑制が効かなくなります。昨今ではいわゆる“老害”的な行動の原因が、加齢に伴う前頭前野の衰えと関連していることが知られています。この現状に対し、矢野教授は、AI等の進歩により数年後には自分で考えることをしなくなり脳の老化の低年齢化がクローズアップされるだろうと警鐘を鳴らしています。 ※1
この記事を読んで、社会全体がデジタルやAIに依存しすぎると全世代で感情の抑制が効かない人が増えるのでは不安になりました。
最後に私ごとで恐縮ですが、今年1月2日に14年間飼っていたポメラニアンが息を引き取りました。昨年の12月中旬から元気がなくなり自力で食事が出来なくなったので冬休みには毎日動物病院に朝預けて、強制給餌をしてもらい夕方に迎えにいく日々が続きました。何とか年は越せたもののどんどん瘦せ細っていきました。1月2日朝預けて、夕方、思いついていつもより1時間位早く病院に迎えに行くと看護師さんが今日は比較的元気で何とか食事を食べられたので今連れてきますと言ってくれました。安心した直後、獣医さんが来て急に心臓が止まりかけていますと慌てています。
急いで心臓マッサージをしてもらいましたが、乾電池が切れたように動きが止まり命が途絶えました。
迎えに来るまで死ぬのを待っていてくれたのかも知れませんが、その日に限って1時間早く迎えにいったために最期を看取ることが出来ました。それが偶然ではなく神様が導いてくれた気がしてなりません。そして無事天国に着けるよう神様にお祈りをしました。
AIに相談することは出来ますが、本当の意味で寂しさや悲しさを癒したり、祈りを捧げることが出来るとは思えません。それは神様にしか出来ないような気がします。私自身AIに依存しすぎないように関わっていきたいと思います。皆さんもスマホやAIとの関わり方について一度考えてみて下さい。
J.K.(数学科・情報科)
※1 山陽新聞web記事(2026年01月16日)https://www.sanyonews.jp/article/1858414?kw=4





