シスター・先生から(宗教朝礼)
2025.10.29
2025年10月29日放送の宗教朝礼から
これから宗教朝礼を始めます
今週はいよいよ秋のつどいがありますね。発表系クラブの皆さんは夏休みくらいから、もしかするともっと前から準備を始め、その練習の成果をたくさんの人にお見せする日になります。秋のつどい委員の方々もテーマやプログラムの作成など、かなり前から動き、毎日のように遅くまで頑張っています。先週の準備日には、生活向上委員の方から、お客様をおもてなしする心や姿勢などについてもお話があり、スムーズにそして来校されるお客様に対して気持ちよく過ごしていただけるようにと、考えてくださっているのを感じました。本当にたくさんの人たちがどうしたら、よりいいものにすることができるかを想像し、努力した成果が現れる日になります。
ところで皆さんは何か新しいことを始めるときに、どうしたらいいのか、何から始めたらいいのかと分からなくて悩んだ経験はないでしょうか。きっと、考えても分からなくて疲れてしまい、チャレンジすることをあきらめてしまったという人もいるのではないかと思います。私自身も、そんなことはたくさんあります。でももし、皆さんの周りに、聞ける人がいたらどうでしょう。秋のつどいも、4月に全く分からずに秋のつどい委員になったという方がいたかもしれません。しかし、担当の先生方や上級生がいらっしゃるので、安心してすぐに一員として仕事ができ、今に至っているのではないでしょうか。これは、秋のつどいだけではありません。何をするにしても経験してきた人が周りにいた場合、不安な気持ちがあったとしても、安心して参加し、たくさんのことにチャレンジできる機会を失うということがなくなります。
このことは、見方を変えると経験を積んできた人たちには、次の世代に伝えるという責任が出てきます。中学3年生、高校3年生はそれぞれ最上級生として下級生にたくさんのことを教えていかなければなりません。教えるということは、教える側の姿勢も問われます。適当な姿勢や何となくの指示では上手に伝えることはできません。準備などで、締め切り日を守ってもらわないとその先に進められないことがあったとします。その場合、きっと、伝える側は、「絶対」という気持ちを込めて伝えると思います。そのとき伝える側の人が日常生活のなかで期日を守らず、提出物が適当だったとしたら、強く伝えることはできるでしょうか。きっと説得力が不足してしまうと思います。身だしなみに関しても同じです。注意をする側が、きちんとした身だしなみをしていなかったら、きっと注意をされた側は、聞き流してしまうと思います。上に立つ、自分の経験を後世に伝えていくということは伝える側の姿勢や態度、人格が問われてくるのです。上級生にとっては耳の痛い話だったかもしれませんが、これは決して上級生がしっかりしなくてはならないということを伝えたいのではありません。
どんなに自分に厳しく、完璧にできているという人でも、声には出さなくても不安や心配を抱えていると思います。もしかするとそんな人ほど、その思いは強いかもしれません。こんなに頑張っているのに思い通りにならない、こんなに一生懸命やっているのに、ちょっとした食い違いで仲間と意見の対立になってしまう、と感情があふれて来てしまうことは絶対にあります。そして失敗した、こうしなければよかった、と反省の気持ちになってしまうと思います。でもそれは長い目で見ると、全然失敗や間違いなんかではありません。逆に成長している証拠なのです。上級生は以前は、下級生と呼ばれる存在で、その時にたくさんのことを上級生から学び、そして挑戦していくというハードルを乗り越えていける力、つまり自信を身につけているのです。その心の強さがあるからこそ、今こうして自信をもって大きな行事に立ち向かっていけている証拠なのだと思います。自分では、私のせいで・・・と感じたり、自分がもっとこうしていればこうはならなかったんじゃないか、と自分を責めたくなってしまうこともあると思います。挑戦していくとは、苦しいと感じることはあって当然です。上級生として、悔しい思いをすることはあります。けれど、それは決して無駄なことではないのです。むしろ、自分の限界に挑戦し、成長している証なのです。だから、上級生の皆さんは、失敗を恐れずに一歩を踏み出すこと、このことこそが、次の自分をつくる力になっているのです。
秋のつどいは、この話を聞いてくれているみなさんにとって、そんな挑戦の積み重ねの場でもあると思います。不二聖心の在校生、皆さん一人ひとりの努力が、誰かの勇気になり、次の挑戦への背中を押すことになるのです。だからこそ、どうか自分を信じて、最後までやり抜いてください。良い発表、良い展示、良いおもてなしをできるように細かい気配りをしてほしいと思います。秋のつどいだけでなく、これからもいろいろなことに挑戦することを恐れずに、自分の力を信じて、全力で頑張って行きましょう。皆さんの姿は、きっと誰かの希望になっていきます。これで宗教朝礼を終わります。
Y.M(数学科)











