シスター・先生から(宗教朝礼)

2024.11.27

2024年11月27日放送の宗教朝礼から

 スウェーデンの作家レイフ・クリスチャンソンの『しあわせ』(二文字 理明訳)を一度は目にしたこと、あるいは、耳にしたことがあるのではないでしょうか。日々の暮らしの中の小さな感動を見逃すことなく伝えてくれる絵本です。対比して書かれています。読み上げますので、どちらが大事なことなのか考えながら聞いてください。

しあわせってなに
夏の太陽 それとも ふりつづいた 雨のあとの太陽だろうか
しあわせってなに
勝つこと それとも ベストをつくすことだろうか
しあわせってなに
つぎつぎと成功をおさめること それとも できないと あきらめていたことをやりとげることだろうか
しあわせってなに
ほしいものを すべて手にいれること それとも ほしいものを さがし求めることだろうか
しあわせってなに
王様のように 思いのままにできることだろうか それとも たいせつだと思ったら勇気をだして やってみることだろうか
しあわせってなに
人気者になること それとも ひとりぼっちで悲しいときに だれかが気づいて 心配してくれることだろうか
しあわせってなに
なにかを やりとげること それとも なにかに取り組みはじめることだろうか
しあわせってなに
自信をもつこと 自分をたいせつにすること そして 自分とおなじくらい ほかの人も たいせつにできること
レイフ・クリスチャンソンは、『しあわせ』以外にも『ともだち』や『ひとりぼっち』、『わたしのせいじゃない』など、数多くの心の問題をテーマにした作品を残しています。
 私は今年の夏休み、何もしないでのんびり過ごすという目標を立て、その通りに何もせずにクーラーの中で過ごしていたら、徐々に身体が重くなり、スカートがきつくなり、挙句の果てには、結婚指輪が指に入らなくなり、そして指から抜けなくなりました。さらにアレルギー反応を起こし、左薬指の付け根が赤く腫れあがり取り返しのつかないことに。20年以上身に付けていてこのような状態になるのは初めての事でした。これはまずいと思い、とっさに思いついたのがダイエットしよう、という安易な考え。しかし私は昔からダイエットに関して、何をしても長続きしない、三日坊主という言葉がありますが、三日続いたらよく頑張ったほう、一日しか続かないことも、はたまた、言って終わり、買って終わりなんてこともありました。なので、家族からは信用してもらえず。どうせ何にもしないでしょ、と言われる始末でした。継続することの難しさを痛感し、長続きするものと長続きしないものには、どのような違いがあるのか考えました。
 私が自分自身の中で長続きしているものを考えた時、真っ先に頭の中に思い浮かんだのは、数学教師としての仕事と、不二聖心での生活です。長続きしている要因は沢山ありますが、その中でも重要な要因は、人間関係、遣り甲斐、学びの3つではないでしょうか。
人は一人では生活することはできません。家族、生徒の皆さん、保護者の方々、教職員通しの繋がりなど、私は多くの人に恵まれ幸せを感じながら生活することができています。楽しいとき、嬉しいときばかりでなく辛いとき、苦しいとき、悲しいときなど、どのような時にも私の周りには、私を助けてくれる多くの人間関係が存在しています。この仕事をしていて遣り甲斐を感じることも多いです。学校生活は一日たりとも同じ日は訪れません。数学の授業をしていて「できた」「分かった」という言葉を聞いたとき、皆さんが一生懸命学習に励んでいる姿を見たときなど、私自身の力を発揮する場があることに喜びを感じています。皆さんと一緒に学ぶことは、ただ単に私の知識が増えるだけではなく、私の人生をも豊かにしてくれます。そして、皆さん以上に知識や経験をもっと得たいと思うようになります。数学の授業では、一方的に教えるのではなく、皆さんからの反応で私自身の学びにも繋がります。授業以外にも、宗教行事を共に行うことにより、キリスト教的価値観を学ぶことができ、私自身の考え方も広がりました。さらに、体育大会、秋のつどい、クリスマス・キャロルなど多くの学校行事を共に行うことで皆さんの成長する姿を一番近くで見ることができ、私自身の幸福感にも繋がります。一つのことを継続して行うことは、自分自身の意志の強さも必要ですが、それだけではなく、周りの環境が大きいことは言うまでもありません。
皆さんも来週から後期中間試験及び高校3年生は卒業試験が始まりますね。目標を立て日々頑張っていることでしょう。今までの反省を活かし、まずは、取り組み始めること、できないと諦めてしまわずやり遂げること、そして、ベストをつくすこと。日々の生活の中で「しあわせ」を感じることで継続的に一つのことに取り組めるのではないでしょうか。継続は力となります。
私はと言うと、夏休みにラクしたツケは、今取り戻すしかないので、周りに支えてもらいながら、ダイエットする意味をしっかりと考え、成果が出ることを祈って、9月から30分程度の運動プラスウォーキングを始めました。毎日は行うことは難しいので、今は1週間に3日程度と甘い目標を掲げ頑張っています。レイフ・クリスチャンソンの言葉を心に留めて。そして、結婚指輪が左手の薬指にはめられる日を夢見て。
これで宗教朝礼を終わります。
M.D.(数学科)