シスター・先生から(宗教朝礼)
2023.06.14
2023年6月14日放送の宗教朝礼から
おはようございます。これから宗教朝礼をはじめます。
4月からあっという間に2か月が過ぎました。体育大会も中間テストもやり遂げ、心のゆとりが少しできたのではないでしょうか。引き続きみなさんが健康で安全に生活できるようお祈りしています。
6月に入り梅雨の時期に入ってきました。雨が続き、じめじめとパッとしない天気の影響か、心もなぜかどんよりしてしまう時もあると思います。そんな時、みなさんには、気分転換や気持ちを切り換えるための何かがありますか??慌ただしく、忙しい毎日を生きている中で、何か今日はがんばれないな、何かモヤモヤするな、なにか不安だなと思う時は必ず誰にでもあると思います。ずっと全力で、気を張りながら、一人で明るく頑張り続けることができる人は滅多にいません。
今日、みなさんにお聞きしたいことは、「皆さんにとって、頼ることのできる存在、ゆるぎない存在はありますか?」、言い換えますと「みなさんの真剣な思いや悩みを話すことのできる存在はありますか?」ということです。その存在は誰でも、何でもいいです。たった一人、一つだけでも十分です。どうでしょうか、今、頭に思い浮かぶ存在はありますか??みなさんの中には、楽しいことや嬉しいことは話すことができるのに、辛いことや悲しいこと、何か不安だなと感じていることを話すことは苦手とする人も多いのではないでしょうか。今日私はみなさんに、頼ること、助けを求めることの大切さをお伝えしたいです。自分の思いや悩み、今感じていることを、その頼れる存在に話すだけで、不思議なことに気持ちが少し落ち着くことができます。そして、みなさんの周りには、みなさんのことを受け止めてくれる存在が必ずあります。
ここで少し、私が高校生の時のお話をしようと思います。私は高校1年生の時に1つの大きな悩みを持っていました。当時の私にとっては、なかなか悩んで考えても解決できず、どうすればいいのか全くわからない、何もかもが嫌になる…。一人で考え込んで、授業中になぜか涙がぽろぽろと落ちてくるときもありました。当時の私も楽しいこと嬉しいことはべらべらと話せますが、自分が困っていることに気づくことや悩みを自分の中から外に出すことは苦手だったようです。そんな時に、一人の先生が「ちょっとお話ししましょう」と声をかけてくれ、そこで初めて自分以外に自分の思いや感情をぽつりと話すことができました。その先生に話していくうちに、自分の中にあった思いや感情が外に出ていったぶん、心が軽くなったように感じたのを今でも覚えています。同時に自分の中の思いや感情を外に出すことは、自分を安定させるためには必要であることを学びました。高校1年生の私にとってはその先生が唯一の頼ることのできる存在でした。今の私がいるのもその先生のおかげであると思っていて、今でもとても感謝しています。
もう一つ、今度は保健室でのお話をお伝えしたいと思います。ある一人の生徒が涙を流しながら保健室に入ってきました。彼女と話していくなかで、泣いている理由を教えてもらい、彼女は不安でどうしようもなくなって保健室に来たと言いました。その彼女の腕を見ると、ブレスレットがついていたので、「その腕のブレスレットはどうしたの?」と気になったので聞いてみました。それは、宗教の授業で作成したロザリオだと教えくれました。悩んで不安だったので常にロザリオを身に着けておき、気持ちが落ち着くようにしていたと言っていて、彼女にとってはこの存在が頼れるものだったのです。私は、ロザリオの存在についてはそこで初めて知り、どのようなものなのかも初めて知りましたが、彼女にとって、この頼ることのできる存在があって本当に良かったと思いました。私は不二にやってきて2年目になりますが、心を静めることの大切さを改めて感じています。心を静めることで、自分の中の思いや感情に気づき、自分のことを理解することができると思っています。みなさんには、自分自身のことを理解し、自分の存在を大事にしてほしいです。
悩みや不安などを一人で抱え込むことはつらいことです。一人で悩みつらくなるほど周りを頼る力すらなくなってしまいます。だから、みなさんにも、誰でも何でもいいので、早い段階で自分の悩みや不安の感情に気づき、周りを頼ってほしいと思うのです。頼ることや助けを求めることは簡単にみえて難しいことだと思います。自分の弱さをだしているように感じてしまうからなのかなと思っています。しかし、頼ることや助けを求めることは皆さんが弱いわけもなく、逃げているわけでもありません。思いは私たちの間を巡り巡っているのが自然で、個人に閉じこめられると自分自身が安定することができないそうです。楽しいことや嬉しかったこと、悲しかったことや辛いことも、個人に閉じ込めるのではなく、外に出していくことが大切だということです。
最後に今日お伝えしたいことをまとめます。みなさんの周りには受け止めてくれる存在が必ずあります。その存在に頼ってください、助けを求めてください。自分の思いや気持ちを大切に大事にしてください。また、みなさんのことを頼りにしている人も必ずいます。相手の思いや気持ちを受け止めてあげてください。それだけでも十分助けられています。今日お伝えしたことを少しでも覚えていてもらえたらなと思います。
これで宗教朝礼を終わります。
A.T. (養護教諭)