シスター・先生から(宗教朝礼)
2023.04.19
2023年4月19日放送の宗教朝礼から
おはようございます。これから宗教朝礼をはじめます。
新しい学年を迎えて、早いもので3週目の水曜日となりました。新入生のみなさんは少しずつ不二聖心の生活に慣れ、新しいこととたくさんであう毎日を過ごされているのではないでしょうか。在校生のみなさんは、学ぶこと、果たすべき役割など変化のある4月を過ごされていることと思います。
コロナ禍の生活が少しずつ改善され始めた今年3月、久しぶりに卒業生の方が学院を訪ねてくださいました。会えなかった間のさまざまなお話ができた、大変嬉しい時間でした。中でも一人の卒業生の方が、「私は不二聖心に戻ってくると、この自然とともに、その頃の思い出が蘇ってくるんです。不二から離れてみて、この自然が大きなエネルギーを毎日自分たちにもたらしてくれていたことに気が付きました」と、当時の様子を、そのときに咲いていた花や季節の生きもの、木々の様子とともにお話されている姿が大変印象的でした。この卒業生のお話を聞いた日から、私はこれまで以上に、空を眺めたり、木々や草花の変化に心を寄せる機会が増え、ささやかな歓びの機会を持てるようになりました。春を迎えた不二聖心には、水仙、桜、菫、チューリップ、つつじ、花水木と、さまざまな花が咲きます。春の訪れとともに鮮やかさを増す不二の自然は、まるでみなさん一人一人が、ご自身の然るべきタイミングで、努力が実ったり、進むべき道を決める、そんなタイミングと似ているかもしれません。
新学期のスタート以降、何人もの方が、今年度頑張りたいことや、新しくチャレンジしたいと考えていることなどをお話しに来てくださいました。生き生きと話をする姿に、今年度の学院目標「実行力を養う Set Our Hearts on Fire」を、一人一人がどのように体現していくのか、その一歩がもう既に踏み出されているのだと感じました。成長というと、イモムシがチョウとなるように、全く新しい形の自分となることをイメージする方もいるかもしれません。あるいは、桜の花が桜として、つつじの花がつつじとして私たちを魅了してくれるように、ご自分にしか咲かすことのできない形、自分自身の役割を果たすことを成長と考えている方もいるかもしれません。聖書の中には、大空は神の御業を示す、大地は神の御業を讃える、というような場面が登場します。まさに自然は神様が創られたものであり、不二聖心は、身近にその神様の創った自然を感じられる場所です。四季折々の、最も身近な自然の中に私たちのあるべき姿のヒントが詰まっているようにも思います。
今日は、創立者である聖マグダレナ・ソフィア・バラのお人柄や性格、価値観や人との関わり方を知ることのできる『ソフィアと旅する』という本の一部をみなさんにご紹介したいと思います。この本の中には、「天国のソフィアがもしあなたに手紙を書いたら・・・」というページが度々登場します。これはソフィアからあなたへの問いだと思って聞いてください。
すべてを超えてあなたに望むのは、いつも自分に問いかけながら進み、決してすべてが単純で、すべては説明されていて、すべてに説明がつくと考えないことです。問題を考えないで衝動的に行動することは楽で、短期的にはより効果的なことも知っていますが、あなたのやったそのことが、あなた自身になぜそれをやったのかと問うてくる、その問い以上に深い問いはないからです。
今日はあなたに贈り物をしたいと思います。それは、あなたが時間のあるときに、自分に尋ねてみてほしい質問文のリストです。
・自分自身のいちばん好きなところは?
・人生で今いちばん価値があると思うのは?
・決して失いたくないのは?
・自分に課する長期的到達目標は?
・そのためにまずしなければならないことは?
・途中で遭遇するであろう困難は?
・その困難を乗り越えるためにしなければならないことは?
ドローレス・アレイクサンドレ著『ソフィアと旅する』より
新しい学年のスタートに際し、まずは他の誰にも変えられないあなた自身と向き合うことから新しい今をスタートさせてみてはいかがでしょうか?
明日は、「新年度祈りのつどい」です。クラス目標を神様にお捧げするとともに、学院目標を改めて心にとめ、自分自身、クラス、学年、そして世界の明日を築いていくために自分ができることに思いを馳せる時間となることを願っています。
これで宗教朝礼を終わります。
A.T.(図書館司書)