シスター・先生から(宗教朝礼)
2021.12.15
2021年12月15日放送の宗教朝礼から
おはようございます。これから宗教朝礼をはじめます。
さて皆さん、今日は今年最後の宗教朝礼です。皆さんは今年一年を振り返ってどんな年だったでしょうか。やはり、新型コロナウイルスに関連することが多く思い出されるかもしれません。夏にはこれまでで最も大きい第5波がきて、学院でも分散登校とハイブリッド授業を行いました。昨年からつづく長い自粛生活に、自粛疲れやコロナ疲れという言葉も聞こえてきました。しかし、その中でも、オリンピックでの選手たちの活躍やロサンゼルス・エンゼルスの大谷選手の活躍など勇気や希望をもらえるニュースもありましたね。直近では、ZOZO創業者・前澤友作さんが日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在したというニュースがありました。前澤さんが宇宙から初めて配信したYouTube動画の中で、「宇宙っていう場所が本当にあった」「夢がかなった」、「皆さんも夢をあきらめずに頑張っていきましょう」と語っていた姿には、心が動かされました。しかし、皆さんの中には、コロナ禍でも夢に向かって歩み続けられるのは、メディアで報道されるような一部の人だけで、長い自粛生活でやりたいことができないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか。私は、ここ数年、学校の広報も担当しているので、皆さんの様子を学院ダイアリーに投稿したり、学校説明会で紹介したりする機会が多くあります。今月も、東京で出張説明会があり、それに向けたスライドを作っていました。その時に、強く感じたのは、このコロナ禍においても、できることを考え、工夫し、挑戦し続けている生徒がとても多いということです。例えば、高校3年生が自主的に立ち上げたDear Worldは留学に向けての勉強会や国際交流に関する活動などを活発に行っていますし、今年度は実際に留学に出発した生徒、具体的に準備を進めている生徒が複数います。また、LGBTQをはじめとしたセクシャルマイノリティに関する理解を深める活動をいているFuji Rainbow Pride、卒業生によるオンラインゼミに参加しミャンマーの現状について発信する生徒たち、高校生平和大使には2年連続で本校から選ばれ、精力的に活動をしています。トビタテ留学JapanやAIG高校生外交官日本プログラム、次世代リーダー養成塾に選出された生徒もいます。学院の生物多様性について学会で発表した生徒、小学生を対象とした地域探究プログラムを企画・実施して表彰された生徒もいます。スピーチコンテストやエッセイコンテスト、馬術競技で活躍した生徒もいます。裾野市のスソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想に関する会議に地域の高校生として参加し、理想の未来像を発表した生徒もいます。他にもここでは紹介しきれませんが、自分の夢や目標に向けて着々と行動している方々を沢山知っています。むしろコロナ以前よりも、自分に与えられた使命について深く考え、その実現に向けて挑戦をしている生徒が増えているのではないでしょうか。確かに、コロナ渦で制限されることはあると思います。自粛しなければいけないこともあるでしょう。しかし、夢を自粛する必要はありません。自分に与えられた使命は何か、今自分にどんなことができるのかを考えて、2022年も挑戦し続けて欲しいと思います。
最後に、フランシスコ教皇様による2021年「世界青年の日」若者の皆さんに向けてのメッセージから一部を引用します。
起きなさい――。自分をあわれんで、地面に倒れている場合ではありません。あなたを待っている使命があるのです。あなたも、イエスがあなたの中でなし遂げようとし始めておられるわざをあかしできます。だからこそわたしは、キリストの名においてあなたに伝えます。
— 起き上がって証言してください。目の見えなかった者が光と出会った体験を、自分の中に、他者の中に、そしてあらゆる孤独に打ち勝つ教会の交わりの中に、神の善と美を見た体験を。
— 起き上がって証言してください。人との関係に、家庭生活の中に、親子の会話や若者と老人との対話の中に、築かれうる愛と尊敬を。
— 起き上がって守ってください。社会正義、真理と公正、人権、迫害されている人、貧しい人と弱い立場の人、社会にあって声を出せずにいる人、移住者たちを。
— 起き上がって証言してください。驚きに満ちた目で被造界を見られるようになり、地球をわたしたちの共通の家と理解させ、総合的な(インテグラル)エコロジーを守る勇気を与えてくれる、新たなまなざしを。
— 起き上がって証言してください。失敗した人生も立て直せるということを、霊的に死んでしまった人も再び立ち上がれるということを、奴隷にされた人々も再び自由を得られることを、悲しみに押しつぶされた心が再び希望を見いだせるということを。
— 起き上がって証言してください。キリストが生きておられることを喜びをもって。キリストの愛と救いのメッセージを、あなたと同世代の仲間たちに、学校、大学、職場、デジタル世界といった、あらゆる場で伝えてください。
これで宗教朝礼を終わります。
M.H.(理科)
引用:カトリック中央協議会ホームページ 2021年第35回「世界青年の日」教皇メッセージ
https://www.cbcj.catholic.jp/2021/11/12/23546/