シスター・先生から(宗教朝礼)

2019.12.25

2019年12月11日放送の宗教朝礼から

 これから宗教朝礼を始めます。

さて、宗教朝礼を始める前に、皆さんに昨日一日を振り返ってください。
皆さんにとって昨日一日はどんな一日だったのでしょう。昨日はすごく楽しかった!と思う人もいれば、昨日嫌なことがあって最悪な一日だった!と感じている人もいるかもしれません。そしてもしかすると特に何もない、つまらない一日だったなあ。と思った方もいませんか。つまらない一日だったなあと感じていた方へ。実は私も以前そう思いがちな時期がありました。
 水谷修さんという方の講演会に伺う機会がありました。「夜回り先生」としてメディアにもよく取り上げられる方です。彼は、講演会でこうお話されました。
「一日1枚、自分がきれいだなあ・素敵だなあと思うものを写真に収めましょう。きっと自分の幸せに気が付いていくはずです。」
 本当かなあ、と半信半疑になりながらも私は彼の言うようにカメラを持ち一日1枚、自分はうれしいなあ・きれいだなあと思ったことや出来事に関わる写真を撮り始めました。そして、一日の終わりにそのことを振り返る時間を少しだけ取ることにしました。
 ・ある時、課題に追われて大変だった私に「あともう少し頑張れ!」とくれた友人からのお手紙、本当にうれしかったなあ。
 ・たまたま通りがかったときに見たイルミネーション、すごく素敵だった!など様々書いています。
そんなことも気が付かなかったの!という声が聞こえてきそうな内容です。でもたくさんの情報があふれる世界の中で、その時まで私は自分の身の回りにあるたくさんの素敵なものを素通りしていたように思います。
 数年たって、心理学者ロバート・エモンズとマイケル・マッカローが行った幸福度に関する研究について知る機会がありました。それは「ちょっとしたことでもいいので、毎日感謝できることを5つ書いてもらう」グループとそうしなかったグループの人生満足度の測定結果です。その結果感謝できることを考えたグループは、何もしなかったグループに比べて幸福感が高くなり、ポジティブな気分を味わえるようになったそうです。感謝と私の行っていた素敵なものを書き留めるということは少し違うのかもしれません。でも私は、日常の今あるを大切にし、その恵みに気が付くことが共通している気がしています。町は煌びやかなイルミネーション、素敵な音楽も流れるクリスマス。でも、私たちは毎日必ずしもドラマのようなあっと驚く煌びやかな毎日があるわけではありません。一見、毎日の繰り返しのように思える日もあることも事実です。それでも、私たちの一日の中には何か一つ、「素敵だなあ・うれしいなあ」がきっと見つかるのではないでしょうか。
最後にエッセイスト、松浦弥太郎さんのエッセイを引用して終わります。
 自分が幸せを感じているとして、それをみんなにどうやってリレーしていくか、リレー作業がかなめです。うれしいこと、楽しいこと、心の底から感謝することは、自分だけで独り占めしてはなりません。
 しあわせだなとかんじたら、その幸せをリレーでバトンを渡していくように誰かの意渡す。その誰かがまた誰かに渡す。こうして幸せのリレーがしていけたら、再び自分にバトンが回ってくるでしょう。
 2日後、クリスマス奉仕として中高それぞれたくさんの施設先に訪問します。そして来週はクリスマスキャロル・チャリティーセールも行われます。みなさんがもし今、日常の恵みに感謝しているのなら、そのバトンを次の方に渡す、そんな機会です。クリスマス前私たちの身の回りがたくさんの小さな幸せでいっぱいになりますように、お祈りしています。
R.I.(英語科)