シスター・先生から(宗教朝礼)

2017.07.12

2017年7月12日放送の宗教朝礼から

 おはようございます。今から、宗教朝礼を始めます。

みなさんは、毎日の生活をする中で、工夫をしていることはありますか。もちろん勉強をすることに工夫は必要でしょうが、それ以外にはどうですか。
私も、学校での生活以外で考えてみました。私は、毎日、料理をします。料理は、先の先までの工程を頭の中でイメージをして、食材を準備して、下ごしらえをしたり、道具を準備したりしてから始めます。食材の特性や、下ごしらえの方法を調べ、下準備の下準備もしていきます。これをしないで、思い付きで始めてしまうと、バタバタ、ぐずぐずしてしまい、絶妙なタイミングで・・・というチャンスを逃してしまうのです。食材の特性や下ごしらえの方法、手順など、多くの情報や知識を知っていることと、完成形をイメージして逆算した手順で手際よくできることが、料理には求められているのだと思います。それから、季節を感じられるように、器を選んだり、美味しそうに見えるように盛り付けたりすることも、お料理の工夫でもあります。そして、美味しいなあと喜んでくれる家族のことも考えて思いを込めます。そこにも、イメージする力が活用されています。このイメージすることと知識の豊富さが、工夫につながっているように思います。
さて、今、知識というキーワードがでてきましたが、聖書の中に、知識や知恵という言葉がよく出てきます。知識と知恵はどういう違いがあるのでしょうか。これは難しい疑問なのではないかと思いますが、辞書で言葉の意味を調べてみました。知識は「ある事柄について知っていること。知ること。認識・理解すること。考える働き。」。知恵は「物事の道理や筋道をわきまえ、正しく判断する心のはたらき。正しく物事を認識し判断する能力。」とあります。ということは、知識は情報や思考力で、知恵はその知識を正しく判断して実生活に使っていく処理能力のようなものだと思われます。だから、いくらたくさんの知識を持っていても、それを使う知恵を持たなければならないということです。
もうすぐ夏休みです。長い休みである夏休み、毎日の生活で工夫のある知恵を磨けるような生活を心掛けてください。惰性で生活してはもったいないです。例えば、様々な体験をすることでしょう。人は一度体験したことを、心にとどめることで、永遠に自分のものにできます。しかし、その体験の中で「○○をした」ということだけでなく、その周りでどのような人たちがいて、どのような仕事や活動や準備があって行われていることなのかという背景までイメージをしてください。また、知識を増やすための工夫もしてください。手段や方法を多く、どのように知り得るかは自分のかかわり方次第です。経験をすることから、どれだけ多くのことを吸収するかは、視野の広さも問われるのではないでしょうか。視野が狭いと、情報量もそれだけ少なくなるので、正確な判断を下す力も低下し、考え方も狭くなってしまいます。正確な判断を下したり、よいアイデアを生み出すには、たくさんの知識、情報、経験が必要なのです。そして脳の中では、蓄積された情報の組み合わせによって「ハッ!」という気づきや学びに繋がるそうです。だから、情報、知識、経験などが多ければ多いほど、それだけ気づきも増えるのです。そのための気づきや知識を増やす広い視野で、豊かな経験と、知識や多くの力を吸収し、多くの引き出しを作り、それを上手に使えるセンスを磨き、知恵人となれるように生活してください。
今年の学校目標は実行力を養う、Bring Joy To Othersです。みなさんと成長したことを分かち合える夏休み明けを楽しみにしたいと思います。
これで、宗教朝礼を終わります。
A.S.(数学科)