シスター・先生から(宗教朝礼)
2015.04.19
2015年4月15日放送の宗教朝礼から
シャローム!おはようございます!シャロームというこの挨拶は先週5日、教会でご復活祭を迎えた時のことです。日本の社会ではクリスマスと比べるとほとんど知られていない復活祭ですが、キリスト教会では1年のカレンダーの中では最大のお祭りなのです。そのお祭りで何があったのか、お話しようと思います。
聖書によると(ヨハネ福音書20章19~)、十字架上で亡くなったイエス・キリスト様を裏切ってしまった弟子たちは、絶望し、寂しさと怖さで泣きながら隠れるように集まっていました。ところがそれから3日目の朝、復活されたイエス様は、急に弟子たちの真ん中に立ち「シャローム!あなたたちに平和がありますように」と、次々にいろいろなグループに現れ「シャローム!シャローム!」と挨拶をされました。そして「父である神さまが、あなたたち一人ひとりに、あらゆる善いものを備えて下さる」とおっしゃいました。悲しんでいた弟子たちは、聞きなれたイエス様の力強く優しいお声を聞き、お姿を見て、いっぺんに心が軽くなり、安心して喜び合いました。そして、イエス様は「ガリレアで会いましょう!わたしはそこで待っている」と告げられたのです。
こうして「ガリレアに行き」イエス様にお会いした弟子たちは、「命(魂)のパワー」をもらい見違えるように元気に変わり、喜びのうちに新しい日々を歩き始めました。この「シャローム!」という挨拶と、「ガリレアへ行き、待っておられるイエス様にお会いした」という不思議なお話が、復活祭のできごととして伝えられているのです。そしてこのメッセージは、実は私たちに対する約束でもあるのです。
皆さん1人1人に,あらためて「シャローム!」と挨拶をいたします。きょうのあなたのご機嫌はいかがですか。とってもさわやか! 気分が良い、楽しい、という人たちも多いかもしれません。反対に、なんとなく気分がすぐれない、心がもやもやと不安、自己嫌悪に陥っている、いらいらしている、でしょうか?私たちはその日によって、気分が変わったり、いろいろな問題にぶつかったり、人間関係で悩んだり、「心はコロコロ変わります」。きょうの私は、きのうの私とは違ったり、心や感情(フィーリング)がその日によって動揺したり不安定になったり、いろいろな面を持っています。
人間は、小さいころからだんだんと大人になりながら、毎日、いろいろな面を出し、違う自分に気が付いたり、他人に大きく影響されたりと変わりながら成長していくものですね。
一方、この私には「もう一人の私」がいます。コロコロと変わる自分も私ですが、「もう一人の私」は「ガリレアで待っていてくださる復活されたイエス様」といつも一緒で、それどころか私が母親から生まれる前から、イエス様は私を知っていて愛してくださり、「本当のわたし」らしさを常に見守り、幸せになるよう導かれているのです。
時々私たちもイエス様のおられる「ガリレアへ行きましょう!」そしてイエス様の前で命のパワーをもらい「本当の私」の姿をとりもどしましょう。
ところであなたにとってガリレヤとは、どこでしょう? ある人にはイエス様の待っていらっしゃる所、と言われてもピンとこないかもしれません。ある人にとっては、人間を超えた大いなるお方と出会う所と表現しましょうか。または仏教のお釈迦様の前でしょうか、神社の日本の神々かもしれません。またはあなたの最も信頼しているお父様、お母様でしょうか、先生でしょうか、お友達かもしれませんね。
また一方、「本当の私・あなた」を取り戻す所とは、ある時には、大いなる大自然で憩うこともあります。果てしない永遠の宇宙を思ったり、さわやかなそよ風に慰められたり、または暖かい太陽の日だまりかもしれません。キラキラと輝く星空を見上げることでしょうか。そして美しい花々をめでることでもあります。ある人にとっては神々しい富士山をあおくことでしょう。今朝の富士山もきれいでしたね。すべて、あなたがたのガリレアには、イエス様の聖霊の息吹と神の愛が満ち溢れていて、誰でもが復活の命のパワーを得ることができる所なのです。
今朝、お話ししたかったことは、新しい年度が始まった今、イエス様からの復活のメッセージをお1人ひとりにお伝えすることでした。
毎朝、「シャローム、おはよう!」と、まず自分に呼びかけ、そして友達にも声をかけ、お互いに幸せにつながる挨拶を交しましょう、とうことが1つ。
2つ目は、特に困った時や不安な時、苦しく涙がでてしまった時、イエス様が待つ「ガリレアへ行こう」ではありませんか。そして「本当の私」に戻り、命のパワーを受けて、私らしく輝くこと、これがBe Elegant, でもあるのです。
「シャローム、ガリレアに行こう!」これが今朝のあなたへのメッセージです。
M.Y.(宗教科)