シスター・先生から(宗教朝礼)
2014.09.03
2014年9月3日放送の宗教朝礼より
皆さんは、どのような夏休みを過ごしましたか。一日中勉強に明け暮れていた人、卒業研究に追われていた人、海外体験学習へ参加した人、ボランティア活動に参加した人、家族との時間を大切にした人、海水浴や山登り、ハイキング、キャンプをした人など様々だと思います。
私たちにとっては、有意義で楽しい夏休みだったかもしれませんが、悲しい思い、経験をされた方も沢山いらっしゃることを忘れてはいけません。日本各地を襲った豪雨の影響で、甚大な被害が発生し、今も心悩ませている方が沢山いらっしゃいます。
8月、台風12号は、西日本の太平洋側に大雨をもたらしました。特に、四国では、8月の降水量平均値の2倍から4倍となる大雨でした。また、台風から遠く離れた、北海道や東北でも前線が活発化し大雨をもたらしました。
次の台風11号は、高知県に上陸し西日本を縦断しました。三重県に大雨特別警報が発表され、東海、近畿、四国地方を中心に日本列島の広い範囲に大雨をもたらしました。栃木県では竜巻が発生し、住宅の屋根が飛ばされたり、小学校の窓ガラスが破損したりと大きな被害がありました。
その後も前線の影響で、近畿、北陸、東海地方を中心に大雨となりました。その前線は、日本列島に停滞し、局地的な豪雨をもたらし広島市では多数の土砂災害が発生し70名以上の死者を出しました。さらに、北海道でも死者を出す土砂災害が起こりました。
気象庁は、これら台風12号・11号、前線の活動などによって日本各地で発生した豪雨について、「平成26年8月豪雨」と命名しました。顕著な災害を起こした自然現象については、過去に発生した大規模な災害における経験や貴重な教訓を後世代に伝承するために名称を付けるのだそうです。
テレビでは、この平成26年8月豪雨以降、警察や消防、自衛隊による安否不明者の搜索が毎日のように放送されました。一刻でも早く助け出したいと懸命な搜索が続いていました。また、その一方で、ボランティアによる支援も多く目にしました。「放っておけない」と東日本大震災の被災地から駆けつけスコップで土砂をかき出す男性の映像、絵本の読み聞かせや手作りの輪投げで子供たちの遊び相手をしている地元の女子中学生の映像、バケツリレーで家の中にたまった泥を運び出し、道路に積み上がった土砂や倒木の撤去作業などを行っている男子高校生の映像、さらには、以前豪雨浸水被害を受けた九州の高校生が広島市のために募金活動を行っている映像など多くの支えを目にしました。
他人の気持ちを考え寄り添うことの大切さ、今できる事を一生懸命誠実に行う謙虚さ、そして、命の意味・大切さ、これらの映像は私たちに多くの事を教えてくれます。
今ここで私たちが生活できていることは当たり前ではありません。何不自由なく生活できていることに感謝しなくてはなりません。それなのに、現状に満足できず不平不満を口にすることはとても悲しいことです。すぐに、「嫌だ」、「面倒くさい」などと言っていませんか。暑い中で土砂を運び出している中学生、高校生がいることを忘れてはいけません。「どうせ」という言葉を使い、何をするにも我慢せず、努力せず、すぐに諦めてしまっていませんか。体育館などで避難生活を送っている方々の事を考えてください。そこには、私たちが想像できないほどの我慢があります。
自分の言動、行動をもう一度振り返ってみましょう。学校生活が始まって1週間が経ちますが、謙虚な生活ができているでしょうか。自分のことだけを考えず周りを見て行動することができていますか。横柄な口を聞いていませんか。傲慢な態度をとっていませんか。尊大に構えていませんか。
聖マグダレナ・ソフィアバラは次のようにおっしゃっています。
「あなた方の心が謙虚になったとき、主はあなた方の心の中に新しい事を行いになります。」
自分なりに謙虚ということについてもう一度深く考えてみましょう。
最後に、この夏多くの方が犠牲になってしまいました。お亡くなりになられた方へお悔やみを申し上げます。被災されました方々には、心からお見舞い申し上げるとともに、被災地の1日も早い復興を願っております。
これで宗教朝礼を終わります。
M.D.(数学科)