シスター・先生から(宗教朝礼)

2013.09.04

2013年9月4日放送の宗教朝礼より

 おはようございます。これから宗教朝礼を始めます。 

あなたにはどんな才能がありますか。今日は、自分中にある才能について考えてみたいと思います。 

私たちは「才能ある人」と聞くと、とてつもない偉業を成し遂げた人を思い浮か べます。例えば、先週の全校朝礼で加納先生からお話のあったイチロー選手や、盲目のピアニストである辻井伸行さんなど、スポーツの世界や音楽の世界には才 能ある人がたくさんいらっしゃいます。また、世界的に有名でなくても、皆さんの周りには才能ある人がたくさんいませんか。足が早いとか、泳ぎが上手とか、 楽器が弾けるとか、絵が上手に描けるとか、人前で話をするのが上手いとか、他人とコミュニケーションをとるのが上手であるとか、例を挙げればきりがありま せん。また、誰に対しても優しく接することができることや、寂しそうな顔をしている友達に何気ない一言がかけられること、友達の気持ちを理解できることな ども才能のひとつではないでしょうか。才能ある人とは、人よりも少し優れた感覚の持ち主のことを指すのだと思います。このように考えると優れた感覚という ものは、誰の中にもあるのではないでしょうか。私は、誰の中にも才能は眠っているものだと思います。挙げだしたらきりが無いほど、いろいろな才能があるの です。 

中学2年生以上の方は、宗教の授業で「タラントン」のたとえを勉強しましたよね。

その箇所を少し読んでみます。 

『ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。それぞれの力に応じて、一人には5タラントン、一人には2タラントン、もう一人には1タラントンを預けて旅に出かけた。早速、5タラントン預かった者は出ていき、それで商売をして、他に5タラントンをもうけた。同じように、2タラントン預かった者も、ほかに2タラントンをもうけた。しかし、1タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。』(マタイ25.14-18)という箇所です。 

5タラントン預かった者は、努力して更に5タラントンもうけます。2タラントン預かった者も、努力して更に2タラントンもうけました。しかし、1タラントン預かった者は、恐ろしくなり預かった1タラントンを地の中に隠しておきます。なぜ、恐ろしくなったのかわかりますか。それは、1タラントンが莫大な金額だからです。1タラントンは、一生の給料分に近い金額だそうです。隠しておいたことを知った主人は、1タラントン預けた者に対し、怠け者の悪い僕だと言い、そのタラントンをその者から取り上げてしまいます。

そして、最後に『だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまで取り上げられる』(マタイ25.29)と聖書には書かれているのです。

タ ラントンとは、神様から私たちに与えられた才能・能力のことです。神様は、私たちにとても莫大な才能・能力を与えて下さっています。私がイチロー選手のよ うに上手にヒットを打てないのと同じように、タラントン、才能・能力に違いがあるのはしょうがないことです。皆違った形で神様から才能をいただいているの だと思います。私達の頂いた才能は、イチロー選手や辻井さんのように5タラントンもの莫大な才能や能力ではないかもしれません。しかし、私たちが神様からいただいた才能・能力は、無限な可能性を秘めています。

ところが、才能とは、引き出すのがとても難しいことがあります。自分自身で奥 の方にしまいこんでいることがあります。また、その才能に気付こうとしないこともあります。自分の感覚が優れていてもそれを認めないこともあります。才能 や能力は目には見えないので、どこにあるかよく分かりません。

また、私たちは、大きな才能にだけ目がいってしまい、せっかく自分の中にある 小さな才能に気付かないことがあります。小さな才能でも、コツコツと継続して育てていけば、必ず成長します。その成長を自分自身で喜ぶことができたなら自 分を認めることにつながるのではないでしょうか。

 生まれ持った才能に違いはあります。でも、その生まれ持った才能を最大限に引き伸ばすには、自分自身の気付きが必要です。

中には才能という言葉だけで、努力や勉強もせずに何でもできると思っている人がいるのではないでしょうか。才能と努力は切っても切り離せない関係があります。何かを成し遂げるとき、努力が必要なのは当たり前なのです。

私には才能がないと簡単に投げ出さないでください。私たちは、神様から何かし らの才能を頂いて生まれてきています。私たちの中には、無限の才能が眠っているのです。自分には才能がないと思っている人は、自分の才能に気付いていない だけです。神様から与えられた才能を最大限に生かして生活していきましょう。

これで宗教朝礼を終わります。

M.D.(数学科)