校長室から
2023.11.09
愛の灯を掲げる人に
今年、聖心女子大学は、創立75周年を迎えました。1948年を開学の年としているからなのですが、前身である聖心女子学院高等専門学校の歴史は1916年に遡ります。
聖心グローバルプラザ(渋谷区広尾)では、記念常設展「これまでの歩み、これからの道」が始まっています。
「人の一生は地位や財産ではなく、どう生きたか、行動したかにかかっている」「小さな殻を破り、時代の要求に積極的に働きかけるように」「一度に一つのことしかできない人にならないように」「礼儀は相手への愛の表現」「そこに困っている人がいるなら、できることをすぐに行う」・・・初代学長エリザベス・ブリットにかかわる展示を読み進めながら、同じスピリットの中で育っていく本学院の生徒たちを思いました。
この展示はWEBでもご覧になれます。
https://kyosei.u-sacred-heart.ac.jp/event/ush75koerkore/
2023.11.01
秋の調べの中で
昨夜はセント・マドレーヌ(寄宿舎)のハロウィン・パーティで、寄宿生の方々の幸せそうな笑顔にたくさん出会いました。私も仮装して登場すればよかった、と後悔しました。修練院(シスターになるための準備期間)時代、修道院で仮装をした時のこと、東京聖心で担任をしていた時にクラス全員でシスターの仮装をした時のこと等、懐かしく思い出しました。幸せそうな生徒たちの顔をみるのは何より嬉しいことです。
今日は秋のつどい(学院祭)準備日。修道院と教職員が協力して、学院のためのバザーの準備も進んでいます。明日の校内発表日には、南山大学の副学長様が視察に来てくださいます。こちらから訪問した折、「卒業研究」に眼を留め、関心をもっていただけたのはたいへんうれしいことでした。心をこめて、お迎えできますように。2024年の「学院カレンダー」も出来上がり、秋のつどいから販売開始です。懐かしい皆様、初めての皆様、そしてご家族の方々のご来校をお待ちしております。良い日になりますように。
2023.10.27
共に食事をすること
昨夜、寄宿舎セント・マドレーヌの夕食の様子を見にまいりました。食事の始まり時で、係の生徒が全員揃っているかを確認し、お祈りをして食事が始まりました。続いて上級生が下級生にサーブ、メインはパスタでした。セント・マドレーヌは週末帰宅型なので、月最後の木曜日の夕食で、その月のお誕生日の方々の名前が呼ばれ全員にケーキがふるまわれます。私も大好きな御殿場のアンドロワ・パレさんのケーキです。今月は、秋らしいマロンのケーキでした。https://endroitpalais.com/
孤食、個食、固食等が取り沙汰される中、家族であっても共に食事をすることが難しくなっているともいわれる現代。時節によってメンバーが変わる一つのテーブルを囲み、お互いが食卓の会話にも責任をもって参与していく――、そんなアーティフィシャルではない日々の経験が培う力の凄さに気づくのは、卒業後、特に社会に出てからのようです。一人ひとりの表情をみながら、心の中でエールを送り、創立者につながる名前の食堂JoignyとAmiensを後にしました。
2023.10.18
目に見えない「愛」
先日、中学2年生(寄宿生)に誘われて、キャンパス内にあるお墓のお掃除に行きました。ついていってみると、岩下家や聖心会の墓所の間にある農園で働かれていた方のお墓でした。気をつけないと見逃してしまいそうな場所にあるお墓に心を寄せていたことにも感心させられました。
修道院のシスターや寄宿舎の先生におことわりして以前からお掃除を行ったいたそうで、私が一緒にかかわったのは最後の仕上げの部分でした。用意周到に自宅から様々なお掃除道具を持参し、お供えするお花や栗まで持参していました。ご家族の皆様のご理解があってのことと感謝申し上げます。生徒たちの手際のよさ、丁寧なお掃除ぶりに、私の方がついていったような形でした。お掃除の合間に、寄宿舎のTEA(おやつ)の様子等、いろいろなことを聴けたのも楽しいことでした。最後は、皆で小鳥のさえずりを聴きながらお祈りしました。これからは、マリアン・スクエアのマリア様のご像付近の整美もボランティアしてくれるそうです。
今週20日は、世界中の聖心でMater Admirabilisの祝日を祝います。19世紀に描かれたMater Admirabilisの絵には聖心の生徒の理想の姿がシンボルで表現されています。目に見えるものだけではなく、目に見えない存在、生命、行い、愛に眼を注ぐことができる生徒たちが育つ学院であり続けたいと願っております。
2023.10.12
津にて
今日のセッションの一つは、忍者研究の第一人者として国内外でご活躍の山田雄司教授による「忍者」についての講演でした。沼津市ご出身で、大河ドラマ「どうする家康」の忍者考証も務められています。忍者の生きる知恵、心得は、なるほど現代にも通じるものがあると興味深く伺いました。「忍びにふさわしい人物」に求められる要素、「名前を残さず、大きなことをするのが忍」、伊賀伝にいう七字の大事「ワレヲシルヘシ」等々、伺っていて聖書を思い出すことも度々ありました。研修の合間に、生徒たちのために来年の「Moon Calendar」を買いました。
明日の土曜日は、フェスタすそので「2-23-2024 すそのブランド認定式」が行われ、ソフィアージュ(学院の和紅茶を使ったお菓子)も認定していただく予定です。フェスタには、先日、中学3年生に授業をしていただいたウーブン・バイ・トヨタも参加されます。皆様、どうぞ、良い週末を!
http://www.city.susono.shizuoka.jp/event/7536.html
2023.10.06
フジザクラ
10月3日、『よじごじDays』(テレビ東京)で、「富士山が見える道の駅特集」で不二聖心の『フィールド日記』(2013年5月17日)に掲載されたリョクガクザクラ(フジザクラの1種)の実の画像が使われました。当時、『フィールド日記』を担当していた蒔苗教頭によると、リョクガクザクラは、1916(大正5)年に御殿場農学校(現在の御殿場高校)の高沢二郎教諭が発見し、同校の校長の山出半次郎が牧野富太郎博士に送り、博士によって命名されたたもので、学名のYamadeiは山出半次郎先生に由来しているのだそうです。
牧野博士は、本年度前期NHK連続テレビ小説『らんまん』のモデルです。現在、『フィールド日記』を引き継いでいる平本教諭は、今夏、牧野博士の故郷である高知県を訪れた時のことを9月6日の宗教朝礼で話していました。https://www.fujiseishin-jh.ed.jp/teachers_message/2023/95785/
終業式では、静岡朝日テレビの取材を受けたウーブン・バイ・トヨタ(Woven by Toyota)による出前授業放映の様子と共に全校で鑑賞し、楽しみました。植物学、未来都市、SDGs等、様々な視点から学びのチャンスが広がったことでしょう。
2023.09.29
紫陽花に思いを託して
フィリピンの聖心会でも長く働かれたシスターは、社会の中で最も弱い立場にある方々に直接に寄り添うお仕事をされていました。その一つが、カサ・デ・アミーゴス、日本に住む外国籍の方々との交流を深め、共に住みやすい社会を作っていくための組織です。
人は誰でも、苦しみや悲しみを経験し、また内に秘めた願いをもって生きていきます。私は、生徒たち、保護者の方々の思いの全てを理解しているわけではもちろんありませんが、シスター尾高のお取り成しによって必要な力が与えられるようにと、祈ります。RIP
しあわせが近いような気がする
強いものが集まったよりも 弱いものが集まった方が
真実に近いような気がする
しあわせが集まったよりも ふしあわせが集まった方が
愛に近いような気がする
星野富弘
2023.09.22
森の学校
毎年、秋には、キャンパスの森で「森の健康診断」が行われます。これはESDの一環で、気候変動の課題ともつながっています。科学的に診断が行われた翌日、間伐体験が行われ、間伐材の利用法、植林体験による共生の森づくりなども行われていきます。間伐体験が行われる日、今年は、東京農業大学の地域環境科学部森林総合科学科、生物産業学部自然資源経営学科から先生方が視察にみえます。高大連携が進む中、聖心女子大学はもちろんですが、多様な領域の先生方を通しての学びが生徒、教員を豊かにしてくれるのを感じています。キャンパスの中で、このようなフィールドワークができる中高等学校はなかなかないのではないか?とも思います。
今日は、静岡市での研修会で、学校法人石川義塾石川高校(福島県)、学校法人滝学園滝高等学校(愛知県)のすばらしい取り組みを伺い大変刺激を受けました。自然に恵まれた本学院らしい取り組みを思いめぐらしつつ学院に戻りました。
2023.09.15
Design Your Future!
今週、裾野市役所を訪問し、副市長様を通して、市長様等への秋のつどい(学院祭)のご招待と、学院の近況報告をしてまいりました。
この秋、サイエンス系、芸術系の多くの大学から先生方をお迎えしてのプログラムが組まれています。お話する中で、「キャンパス内の森を使って」科学的に森の健康診断」ができたり、間伐体験、植樹等をしながら地球環境についての学びができるのことに改めて感謝しました。
9月には裾野市に建設中のWoven Cityに関係する学びも学院で行われ、10月初旬には東名カントリー倶楽部で行われるゴルフ・トーナメントをサポートする施設等で生徒たちも体験する機会をいただきました。
多彩な経験の中で、子供たちが、自ら未来を切り開いていけるよう応援してまいります。
2023.09.08
緒方貞子さんと聖心の教育
私も、何度か講演会に参加したことがあります。心に残っているのは、母校である聖心女子大学、そして名誉教授を務められる上智大学での会合です。講演の最後に学生たちの質問に答える緒方さんのメッセージには、常に生涯「学び続けること」の重要性がこめられていました。
ここでは、まず9月12日・19日にNHK教育テレビ「知恵泉」について記しておきます。彼女に大きな影響を与えた聖心女子大学初代学長Catherine Elizabeth T. Britt(アメリカ出身)も紹介されるようです。「学んだ全てのことを忘れても、後に残ったものが本当の教育」というマザーブリットの信念とその実りにもふれられるのではないでしょうか。
・国際放送:9月21日(木)0:15~0:59(※20日(水)深夜,日本時間)/9月25日(月)15:50~16:34