校長室から

2021.02.15

春の気配

 先週は、卒業週間でした。高校2年生がオンラインを使って企画した送別会は、まるで一篇のすてきなドラマか映画を見るようでした。聖心スピリットあふれるメッセージが現代的に表現されていて、とても感動しました。

 卒業式は、保護者の方々にもご参列いただき、チャプレンによる「感謝の祈り」、「伝統の灯を下級生に託す儀式」等を含め、高校3年生の旅立ちの時をご一緒にお祝いいたしました。コロナ感染予防のため下級生は代表だけの参加となりましたが、心はしっかりとつながっていたと思います。卒業生代表の言葉に耳を澄ましながら、改めて、コロナ禍の中、最高学年としての務めを真摯に果たし、学院生活に貢献してきた高校3年生の方々に、感謝と尊敬の念を抱きました。創立者ソフィア・バラも天国から微笑んでいらしたことでしょう。



 今は考えられないことですが、一年半前、私たちは皆でフランスに行きました。(略)ジュワニーの古い町並みや葡萄畑を歩きながら、創立者の「私はたった一人の子どものためにもこの学校を建てたでしょう」というお言葉を思い出し、SDG4番と創立者の言葉に響き合うものを感じました。
 一人でも多くの子どもたちに良い教育を受けさせるという創立者のお考えは、すべての人々に質の高い教育を与えたいと願うユネスコの理想に通ずるものがあると感じたのです。「たった一人の誰かのためにも」という精神を生きることが、創立者の精神を現代において生きることであると学んだ旅でした。
(2020年度卒業式「卒業生の言葉」より)


 彼女たちの命を受け継ぐ新入生を迎える準備も、並行してなされています。別れと出会いの時が交錯する日にあって、天そそる富士を戴く学院には晴れやかな春の気配が漂っています。