校長室から
2021.01.26
紅梅の香に
木の花は濃きも薄きも紅梅 清少納言『枕草子』
築山の紅梅が咲き始めました。高校三年生の時に、突然の病で天に召されたひとりの生徒のご両親の思いがこめられたものです。命の尊さについて学ぶ中学一年生の宗教の授業では、必ずこの梅の木の話もいたします。11月の追悼ミサでは彼女のご遺影も飾られ、全校で祈りを捧げます。私自身、生前の彼女に会ったことはないのですが、とても身近な存在に感じています。
学院が大好きであったという彼女を思わせるように、苗木は本館前の築山にしっかりと根付きました。毎年、青空に映える濃紅梅色と香りが、私たちの目を楽しませ、心を和ませ、学院での生活の一瞬一瞬を大切にするようにと語りかけてくれています。