校長室から
2020.11.09
諸聖人の月に
長く校医として支えてくださった女医先生が帰天されたとのお知らせをいただきました。静かに聴診器をあててじっと耳を澄まされる様子が、お祈りのようだと思うような先生でした。丁寧に人の身体に聴き、神様に聴いて、診察後に言葉を授けてくださっているように思われ、診察室での時の流れが他とは違う印象でした。
heal(癒す)は、ギリシャ語のholosが語源で、「本来の姿に戻る」という意味があると言います。長い間に、どれほど多くの生徒たちが、本来の力を回復するための助けとなってくださったことでしょう。寄宿生に何かがあれば、昼夜・休日を問わず、診てくださいました。不二聖心をとても大切に思っていてくださった先生ご夫妻に、学院も修道院も言葉で表しきれないほどにお世話になりました。
お父様にあたる先代の院長先生は、温情舎初代校長の岩下壮一と親交があったと伺ったことがあります。馬に乗って、御殿場までいらしていたそうです。壮一が校長を務めた温情舎から100年の記念の年に先生が帰天されたことに、深く感じるものがあります。感謝のうちに、これからも天国から学院を守ってくださると信じています。