校長室から
2018.11.01
秋のつどい
今年、世界中の聖心が一つになって、聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーン(1769年8月29日-1852年11月18日)が、1818年3月21日にフランスのボルドーを発ち、アメリカ大陸に聖心を創立してからちょうど200年目の記念を祝っています。聖女を守護の聖人として戴く本学院でも、その精神や態度に学び、祈り、実践する様々な取り組みがなされています。
「レベッカ」(Rebecca)とは、アメリカ大陸へのミッションの責任者であった聖フィリピンと、4人のシスター方(オクタヴィ・ベルトー、ユージェニ・オーデ、カタリーヌ・ラマール、マルギュリット・マントー)が乗った帆船の名前です。2か月を超える船旅の中で、嵐、船酔いや病、海賊等、様々な困難と直面しなければなりませんでしたが、嵐の中でローズ・フィリピンが “Ave Maris Stella” を歌うと嵐が静まったという記録が残されているのは興味深いことです。5月29日にニューオーリンズに到着し、レベッカを降りる時、船長は「これまでで最も品位のある乗客」と一行を称えたともあります。航海の間、フィリピン・ドゥシェーンが、いかに神様に信頼しつつ、仲間や同じ船に乗り合わせた方々とよいかかわりを保ち、支え合い、また助けとなっていたかが目に浮かびます。
春、不二聖心の生徒たちも、秋のつどいを目指し、「レベッカ」という一つの船に乗って出立しました。それぞれが、学習や研究、創作や発表、また運営の準備等において、「今、ここに聖ローズ・フィリピンがいらしたら、どのようにされたでしょうか」という思いを大切にしながら、自らの限界を克服し、同じ船に乗る仲間との考えや方法の違いを超えながら活動してきたことと思います。今日は、そのようなフロンティア・スピリットに支えられた発表をご覧いただけたら幸いです。
聖ローズ・フィリピンにお取次ぎを願いつつ、ご来校いただきました皆様と、皆様につながるすべての方々の上に、神様の祝福をお祈り申し上げます。