校長室から
2015.01.20
共時性(2015年1月20日)
「○○○でお会いしたことがとても懐かしいです」――、今年のお正月、シスターになって初めて赴任した小林聖心女子学院(兵庫県にある姉妹校)で、高2・高3の時期にかかわった“かつての生徒”から年賀状を受け取りました。
「○○○での偶然の出会い」、その懐かしさは私も同じです。彼女も同じように感じていたのかと感慨深い思いでした。
それは、小林聖心を退いて大学で神学を学んでいた時のこと、メイン・ストリートで、ばったり出会ったのが彼女でした。同じ大学の国文科で研究に励んでいました。短い立ち話の中で、「シスターがうらやましいです。自分のアイデンティティと、自分が学びたいことが一致しているから・・・」と言った彼女の真剣な表情。意識下で私自身も感じていたであろうことを言語化されたことに、はっとさせられた瞬間でもありました。自分の進むべき道を探求しているがゆえに悩んでいるような彼女の表情はまぶしくもあり、いつか必ず突き抜けるであろうと信じ、祈ったものです。
数十年前のほんの一瞬の出来事ながら、忘れ得ぬ邂逅。彼女は、今、ある大学で研究者として働いています。自分のアイデンティティと一致する学問に出会ったのだ、と感じられる嬉しい便りでした。