校長室から

2014年11月

2014.11.11

中高別朝礼の話(2014年11月10日、11日)

 聖心のグローバルなネットワークでは、生徒だけではなく、卒業生や教職員のレベルでも様々な研修や交流の機会があります。今年11月初旬には、4年に一度開催される世界聖心同窓会(AMASC)がアメリカで開かれました。今年10月には韓国でアジア・オセアニア地区の校長会が開かれ、来年11月にはメキシコで世界聖心校長会が催されます。

 2009年のヨーロッパ地区の聖心校長会で行われたシスタードロレス・アレキサンドレによる基調講演「心の習慣」の一節に〈対話〉について書かれた次のような箇所があります。

〈対 話〉

1)支配的な意見に左右されないこと
2)自分の見解が絶対の真理だと思いこまないこと
3)迎合主義は避けること
4)相手の立場に自分を置いてみること
5)それぞれの真理は、「その人にとっての真理」であって、「真理そのもの」ではないことを信じること
6)言い争うことなく、反対意見を述べることを学ぶこと
7)現実をゆがめるような偏見にとらわれないこと
8)自分の考えを前向きに述べ、他の人がそれぞれの意見を自由に話せるよう助けること
9)進んで他の人の意見から学ぶよう心がけること

 様々な対立や紛争を抱える世界にあって、武器や弾圧ではなく、対話、祈り、そして愛に根差した働きによって平和な社会を実現していくこと、それは私たちの日常から始まっていくことを、朝礼で生徒達と共に考えてみました。

2014.11.01

秋のつどい ごあいさつ(2014年11月1日)

 「虹」―と聴くと、中学2年生以上の不二聖心生は、今年1月9日、学院の本館を包むようにかかった大きな二重の虹を思い浮かべるのではないでしょうか。聖書の中で、虹は「ノアの箱舟」に代表される「神様の約束の実現」の象徴であり、「希望」そのものともいえます。
秋のつどいは、生徒の諸活動の発表を軸としながら、保護者・教職員、卒業生や旧職員の皆様、地域の方々や入学を考えてお訪ねくださる方等、この丘を登るすべての方々とのつながりによって創り上げられていきます。今年のテーマ「サークル・レインボー」は、過去、現在、そして未来に向けてのつながりの中で生まれてくる思いがけないもの、限りなく尊いものに自らを開いていくよう促してくれているようです。

 今年の秋のつどいでは、学院と一体を成す「不二農園創立100周年」への感謝のごミサが捧げられます。1914年に岩下清周によって開設され、神様の計らいによって聖心へ託された不二農園の大自然が、学院の教育活動に豊かに影響を与え続けていることは言うまでもありません。後援会を初め多くの方々のご協力によりアーカイブ・ウィングに新設された「岩下コーナー」等も秋のつどいに合わせてオープンできる運びとなりました。これと調和して、岩下清周ゆかりの温情橋を扱った「五龍館ホテルと幻の橋展」(裾野市西地区青少年育成連絡会主催、裾野市教育員会・不二聖心女子学院講演)も開催していただけることとなりました。
公開日には、「幻の紅茶ただにしき」を使った産官学協働の紅茶菓子“ソフィアージュ®”と共に、新たなる産学協働の実りである「不二農園100周年記念 ほうじ茶羊羹」をお披露目できることとなりました。また、裾野市のご協力のもと、市のマスコット・キャラクター「すそのん」もお祝いにかけつけてくださいます。市長戦略課応報室が担当する「すそのん」育成市民協働プロジェクトチームには、本学院の高校生も参加させていただいております。このような地域とのつながりは、不二農園開祖である岩下家の思いにも適うものと存じます。

 紅葉の装いをまとった不二聖心の丘に集う全ての皆様の上に、神様の祝福をお祈り申し上げます。生徒たちがフロンテイア・スピリット(2014年度学校目標)をもって、心一つに前進し続けてきた教育活動の成果をご覧いただき、今後に向けてより良いものにしていくため、ご批評やご助言を戴けたら幸いです。