校長室から

2013.11.23

2013年11月23日

 修道院へ帰る道すがら見上げた夜空、満天の星です。塔の先端の十字架を囲む光を見ているうちに、秋のつどいの後、本館前で寄宿生を待っていらした保護者の方々との会話を思い出しました。友人との別れを惜しんでいるのでしょうか、なかなか現れない子供たちを待つには少し暗すぎるような気がして、「もう少し街灯が必要ですね」と申し上げたところ、にっこりと微笑まれ「これでかまいません」とおっしゃいました。そして、意外そうな顔をしたであろう私に、「星が綺麗に見えますから」と言われました。見上げると、大粒の星々が目に飛び込んできました。街灯については様々なお考えもあるでしょうが、このような詩的で落ち着いた心で待たれている子供たちは、とても幸せだと思いました。

アドベント(待降節)も近づき、学院にはクリスマス・キャロルの歌声が響いています。クラス毎に決めたプラクティスはクリスマスを待つ心を整え、チャリティセールの準備は子供たちの目を社会の現実に深く開かせていきます。こうして、今年も生徒たちは「本当のクリスマス」を体験していくことでしょう。暗闇の中でこそ、星は輝く――、キリストの誕生を告げる星に導かれて歩み続けた東方の博士たちのように、不二聖心で学ぶ生徒たちが、いついかなる時も愛と真理の光に導かれて歩み続けるよう願います。

不二聖心の澄んだ空気の中で瞬く星々が、今宵も寄宿舎で過ごす生徒たちを黙って見守っています。同じ星の光が、ご家族と共に過ごす通学生を見つめています。