校長室から

2013.10.17

寄宿舎後期任命式(2013年10月17日)

 明日は、卒業生で女優の藤万利子さんが学校を訪問され、テレビの撮影があります。藤さんも寄宿生でしたが、ある時、雑誌の対談で、「寄宿生活で逃げ出そうと思ったことはないのですか?」という質問に、次のように答えられていました。

 いつもなら家に帰れる日曜日に、ハンデイのある子どもたちを招いてパーティをして遊ぶ、という活動がありました。その中心になる係は回り持ちなんですが、私が係りにあたったそのイベントがある日は私の誕生日でした。私はどうしても家に帰りたくて、たまたま代わってくれるというお友達がいたものですから、土曜日はぎりぎり遅くまで残って準備して、それから家に帰ったんです。そうしたら、父にそのことが分かってしまって。父は「なぜ帰ってきたのか。誕生日にそういう人たちと過ごせるなんて、こんな幸せなことはないじゃないか」と私を叱りました。(中略)
 そのときはまるで父が神様のように見えました。それで日曜の朝、あわてて学校に戻って、その子たちと過ごして本当によかったと思いました。

(“A Seed of Mission School”「くるたのしさ」から学ぶことより)

 不二聖心では、「聖堂」で任命式を行います。ここに深い意味があるように私は思います。夏休み明けの講話の中で、”Senper Fidelis”(いつも忠実に)ということを話しました。どうぞ、今日引き受けた委員としての役割に忠実であってください。ただし、決められた仕事を忠実にこなすことを超えて、神様の前での忠実さをもって果たしていくようでありましょう。